発端はK子であるにせよ、ふと俺は疑問に思った。
俺ばかりでは不公平だ・・・。
「なんかさぁ、俺んトコばっか話してないか?」
「それもそ~だねぇ~。」
幼馴染のU子が話す。
「それって不公平だと思わない?」
「いいのよ、それでっ!」
間髪入れずにK子が言い放つ。
「えっ?」
躊躇ないK子の答えに、俺は逆に戸惑った・・・。
「だって、色々知りたいもん。」
なんとまぁ、ストレートな女だろうか・・・。
本当いい度胸してる女だよ、お前は・・・。
「ところで、お前のところは何やってるの・・・?」
今度は、こちらから問いかける。
するとU子が話し始めた。
どうやらK子とU子は、互いに行き来しているようだ。
「K子のところも凄いんだよねぇ~?」
U子が話すところによると、K子の家は薬屋を営んでいるらしい。
「えへへ・・・。
私は薬屋の娘だぞぉ~。
どうだぁ~、凄いだろ~。」
「へぇ~、そうなんだぁ~。」
あどけない表情と仕草に、思わず微笑んでしまう・・・。
「そうそう、俺ん家の近くの薬屋だよね?」
Yが話すところによれば、Yの家から見える距離なのだそうだ。
「そうなんだよね。
そういえば、Yの家も大きいよね?」
と、K子がYに問いかける。
「うちは設計事務所やってるから・・・。」
Yは照れながら話す。
「そりゃ、すごいじゃないかぁ~!」
俺は自分の周りに自営してる家が結構有ることを知り、
同じ境遇の人間が意外といることに安心を覚えた。
「凄いなぁ、みんな・・・。
ウチは普通の会社員だからなぁ~。」
そういえば、U子の家はサラリーマンだった。
「そんなことないよ。
会社員だって立派な仕事だよ?」
すぐさま、K子はU子のフォローに回った。
なるほど、機転が早いな・・・。