次の休み時間、表の空気を吸いに行こうとすると
いきなりK子に袖を引っ張られた。
「あのね、さっきU子ちゃんがいたから言えなかったんだけど・・・。」
K子が困り顔で俺を見ている。
「どうしたの?」
「ウチね、お父さんが別に会社やってるのよ。」
なるほど、事業を2つも起こしているとなると、やっかみも出てくる。
ましてやサラリーマン家庭では、どんな反応を示すかわからない。
U子には、伏せておく方が無難であろう・・・。
「そうかぁ・・・。
ともかく、それは良い判断をしたね?」
褒められて、K子は嬉しそうな笑顔を見せる。
しかし、なぜ今頃俺に話すのか・・・?
「で、なぜ俺にそのことを・・・?」
「あなたのこと信頼してるから・・・。
私ね、お兄ちゃん二人いるのよ・・・。」
「三人兄妹かぁ。それで?」
「お父さんは、上のお兄ちゃんに自分の会社を継がせて、
下のお兄ちゃんを医者にするつもりなのね・・・。」
おや?
「それじゃ、薬屋さんは?」
「薬屋さんはお母さんがやってるんだけど、
いづれ私がやらなきゃならないと思うのよ・・・。」
ん?
「って事はなんだ・・・、お婿さんを取らなきゃならんと・・・?」
「そう・・・かもしれない・・・。」
おいっ!
「そうかぁ・・・。
俺のところは嫁取りだ・・・。」
なんと、そう来たかぁ~。
さて、これはまいったな・・・。
どう判断すれば良い?
「困っちゃったねぇ~?
どうしようかしら・・・。
何か良い方法ない?」
K子も困ってるのかぁ~。
あれ?嫁に来るつもりでいたの?
これは真面目に考えないと・・・。