昨日は、U子の言葉に甘えてはみたものの、やはり気がかりである。
途中、二人に出会うのではないかと、早めに家を出る事にした。
案の定、目の前を松葉づえをつくK子と付き添いのU子が
ゆっくり二人そろって歩いていた。
「おっす!お二人さん!」
「あら、おはよう。
随分と早いわね?」
と、K子が振り返る。
「ああ、二人が心配でな・・・。
家を早めに出てきた。
U子ばかりに苦労させられないだろ?
荷物持つよ・・・。」
「あら、丁度いいわ・・・。
U子ちゃんも持ってもらえば?」
「そんな、悪いわよ・・・。」
「良いから、良いから。」
K子は、U子の荷物も渡してくる。
「おいおい、二人分かよ~。」
「そっ、文句言わないの!
ほら、あ・な・た・頑張って!」
「ほいほい。」
これはいかん・・・。
K子の奴、俺を尻に敷き始めた・・・。
まぁ怪我人だ、今回は大目に見てやろう。
「悪いわね?私の分まで持たせちゃって。」
「いいや、これぐらい構わんよ。」
そうこうしている間に、後ろからYがやってきた。
「おっす!
なに?二人分持たされてんの?」
「丁度いい・・・。
ついでだ、お前も持て・・・!」
先ほど渡された、U子の荷物をYに渡す。
「え~?しょうがないなぁ・・・。」
「そう言えば、Eはどうした?」
「あいつ、結構登校時間早いよ?
もう教室に居るんじゃね?」
「くそっ、逃げられたか・・・。」
「なに言ってるのよ、二人とも・・・。
ちゃんと女性二人ぐらい、エスコートしなさい。」
俺とYは、U子に怒られた。
そして俺は、K子に足の状態を聞くことにした。
「で、やっぱり血を抜いたのか?」
「よく分かったわね!?」
K子は、ビックリした顔で俺を見ている。
「まぁ足首がブス色になり始めたから、内出血してると思ってさ。」
「あなた、お医者さんに向いてるんじゃない?」
「この程度じゃ、医者にはなれないよ・・・。」
「そうかなぁ~?」
「そうそう。」
家業の件もある。
おそらく、医者になることを許してもらえないだろう。
ここは、言葉を濁しておくのが無難だ・・・。