放課後、図書室へ向かう準備をする。
カバンに荷物を詰め込み、無造作に上着を羽織った。
「ちょっと待って・・・。」
K子に呼び止められた。
「ん?なに?」
「ほら、ちゃんとしなさい。
他の人たちも来るんでしょ?」
「あ?ああっ・・・。」
「キチンと、しとかないと・・・。
みんなから、笑われるわよ?」
と言いながら、Yシャツの襟を正し、シワを伸ばしてくれる。
あれ?なんだろう。
いきなり、どうしちゃったんだ?
K子に、お礼を言っておく。
「ありがとう。」
「これで良いわ。
気を付けて行ってらっしゃい!」
更に、笑顔でK子が送り出してくれる。
「じゃ、行ってくるよ・・・。」
K子に見送られながら、図書室へ向かう。
おい、新婚夫婦かよ?
このシチュエーションは・・・。
思わず周りを見回して、警戒してしまった・・・。
第三者から見てみれば、冷やかしのターゲットだ。
運よく、冷やかしそうな輩はいなかった。
図書室に入ると、顔見知りのメンバーが揃っている。
昨年、書記を務めたTが俺の隣に座る。
「よっ、しばらく!」
「おぅ!
ところで、なんなんだ?
この集まりは・・・。」
「よく分からんが・・・、
現行生徒会と切り離して活動するらしいぞ?」
切り離して?
別働隊ってことなのか?
すると、教頭先生が入室してきた。
入って来るなり、一声を発する。
「教頭の私が、君たちの直接顧問となります。」
普通、学年主任等が生徒会顧問に就くものだが、
それを飛び越えて、教頭先生が直接顧問?
案件としては、現行生徒会の問題レベルよりも重要視してると・・・。
という事は、校長先生が直接指揮してるって事なのか?
いったい、何を始めようとしてるのだろう・・・。
いや我々に、何をやらせるつもりなのだろうか・・・?