さて、どうしたら楽に、早く終わらせることが出来るのか?
まず、正確なデーターを集めたい。
しかも内密に・・・。
オープンにすると厄介だ。
おそらく、あらゆる役委員クラブ員たちが、我も我もと殺到してくるだろう。
パニックは避けたい。
まずはTと、打ち合わせよう・・・。
登校すると、Tのクラスに向かった。
Tに概略を説明する。
「昨日、M先輩から全権委任を貰った。
簡単に、手っ取り早く終わらせる・・・。
まず、各役員長とクラブ部長に、要望を紙に書いてもらって集める。
その中から、優先順位を付けて行く。」
「一般生徒からのはどうする?」
「谷川を引っ張り込む。」
「あいつを?
俺は苦手なんだよ・・・、あいつ。」
「谷川を好評価する奴が居ると思うか?
だが、人は悪いが頭は使える。」
「なるほど・・・。」
「そっちは俺がやるから、役員長とクラブ部長を頼むよ。」
「おぅ、任せろ!」
さすが体育会系のTだ、頼もしいぞ。
昼休みには、谷川の所に行かなければならないな。
さて、自分のクラスへ向かうか・・・。
「おはよう。
今日は、随分遅いじゃない?」
K子が声をかけてくる。
「おっす。
ちょっと用事があってね・・・。」
「昨日は、なんだったの?」
「箱(校舎)は出来たから、中身を作れってさ・・・。」
「えっ?
なんか大変そうね?」
K子はキョトンとした顔である。
「そう、だから簡単に出来て、サボるために考えてる・・・。」
「何よ、それって・・・。
まったく、おかしな人ね・・・?」
K子は苦笑した。
「なぁ?
この学校、設備で何が足りない?
いや、何が欲しい?」
「いやねぇ~。
無さ過ぎて、欲しいもの有り過ぎるわよ。」
「そうかぁ~。」
そう、これが一般的な回答だろう。
これでは、的が絞り込めないのだ。
「やっぱり、谷川を使うか・・・。」
「えっ?
谷川のところに行くの?」
「ああ、奴の力が必要だ・・・。
昼休みにでも、行ってくるよ。」