4時限目終了のチャイムが鳴った。
昼休みである。
みんな昼食の準備をしているが、俺は席を立ち教室を出ようとする。
するとK子が、驚いたようにこちらを向く。
「なに?
昼食も取らずに行っちゃうの?」
「谷川の奴、居なくなるとも限らないからな。
メシ食ってるところを抑えてくる。」
「ねっ?
ならもう一度、生徒会に復帰したら?」
「なんで?」
「だって、今のあなた、生き生きしてるもの・・・。
それに今の方が、凛々しくてカッコいいわよ?」
「そうか?
ありがと・・・。
おまえだけが、見ていてくれればいいよ。
じゃ、行ってくる。」
「うん、いってらしゃい。」
そうK子は、言葉を告げた。
谷川のいる教室を覗く。
いたいた、昼食の準備をしている。
近くの生徒を捕まえた。
「谷川、呼んでくれる?」
そして、その生徒が谷川を連れてくる。
「よっ、しばらくじゃん!
教頭先生直属なんだって?」
「耳早いな?
やっぱり谷川だよ。
さすがだ・・・。」
「で、何よ・・・?
直接出向いてくるなんて、俺に何かさせたいんだろ?」
「そうだ。
これは、お前にしかできない、重要な仕事なんだ。」
「またまた、おだてちゃってぇ~。
お前だって、頭良いじゃん?
自分で、チャッチャッとやっちゃえよ~。」
「俺一人ではダメなんだ、是非ともお前の助けがいる。」
「分かったよ。
で、何すればいいんだ?」
概略を谷川に話す。
現在の学校で、早急に設置しなければならない施設及び設備は何か?
それを2~3点上げてもらい、集計してもらう。
ただし、口外無用であること。
更に対象者は、成績中位~上位の者であること。
ある意味、成績対象で差別がある。
だが、訳の分からない要望を出されても困るのだ。
時間がないのだから・・・。
「おれらにピッタリじゃん。
んじゃ、仲間集めて集計しちゃうわ。
出来たら、そっち持ってく。
それでいいか?」
「おう、期待してるぞ。」