「ただいま~。」
教室に戻って来るとY達に出迎えられた。
「おかえり~。」
「随分かかったわね?
みんなもう、食べちゃったわよ?」
K子は、不服そうである。
「あれ?
そんなに時間かかったのか?
全然、気づかなかった。
ごめん、ごめん。
今、メシかっ込むから・・・。」
「遅かったなぁ~。
おれら、食い終わっちゃったぞ?」
YとEも、ブチブチと言ってくる。
「で、谷川の件は上手くいったの?」
K子は心配そうに聞いてくる。
「まあね・・・。
一週間以内に、すべては終わるから・・・。
おそらく・・・。
とりあえずのところ、『果報は寝て待て』だよ。」
「あなた・・・。
よく、あの谷川を説得出来たわね?
信じられないわ・・・。」
「そうなのか?
あいつ俺に、一目置いてるみたいだからね・・・。
意外と楽に交渉出来たよ。」
「えっ、なんで?」
「俺の実力テストの成績、変わらないんだよ?
奴とたいして・・・。
だから怖いんじゃないか?
たぶん・・・。」
「うそっ!
あなた、学年順位いくつよ!?」
「えっと・・・。
1~2点差で2位?
・・・・・・だったのかな?」
「だって、2位は違う人だって聞いたわよ?」
「そんな事言われてもなぁ・・・。
俺だって知らないよ。
去年担任だった、学年主任の先生が言ってたんだから・・・。
間違いないだろ?」
「ええっ!?
そうなの~?
なのにアナタ、なんで谷川たちと、こんなに性格が違うのよぉ~!?」
K子は、俺に迫り寄ってくる。
「んなの、俺に聞くなよ~っ!」
「だって、お兄ちゃん達も成績良くって性格悪いのよ?
なのにどうしてあなたは、優しくって、成績が良く、性格も良いのよ?
わたし、絶対にあなたの事、信じられないわっ!」
「だから、俺に聞くな~っ!
て言うか、おまえは俺を一体どういう基準で見てたのよ!?
大体、お前の理屈だと、ゴミ以下だな・・・俺。」
なるほど、身内にも居たのか。
だからK子の思考が、≪頭が良い=人が悪い≫なんだ・・・。
妙に納得した。