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英字5文字さんの公開日記

2013年
08月16日
23:57
谷川たちが資料を持ってきたその後、Tも資料を持ってきた。

Tはもともと谷川たちのグループだったが、現在は離反している。
T本人も、谷川には顔を合わせにくいのかも知れない。
だから、すこし間を置いて持ってきたのだろう。

しかし、これで完成である。

「委員会とクラブの集計データー、持ってきたぞ?」

「おっ、ご苦労さん!
 遂に出来たかぁ。
 ありがとう。
 さっき谷川たちも、資料を持ってきてくれたところだよ。」

「そうか。
 で、集計結果なんだけど、
 運動部で意外と体育館ってのが多いんだ。」

「なるほどな・・・。
 たしか谷川の資料でも、体育館ってのが2番目に多かったな。
 分かった、資料を持って相談してくるよ。
 ありがとうな?」

Tから資料を預かり、俺は階段の方へ向かった。

「あら、もう行っちゃうの?」
K子が声をかけてくる。

「ああ、さっさと終わりたいからね?」

「全く、慌ただしい人ね?気を付けなさいよ?」

「おぅ、ちょっと行ってくる・・・。」

俺は3年の教室のある4階まで、階段を駆け上った。
M先輩の居る教室へ急ぐ。
が、しかし・・・。

「やぁ、妹よりも私に会いに来てくれたのかい?
 妹には内緒にしておくからね?
 うれしいなぁ・・・。」

いきなり抱きつかれた・・・。
嘘、先輩と同じクラス?なのか?

「お・・・お姉さん?」

「嫌だなぁ、私を名前で呼んでくれても良いんだぞ?」

「こらこら、そこで何遊んでるの?
 まったく・・・。

 おぅ、悪いな?」

「M先輩・・・。」
地獄に仏である・・・。

「私は遊んでなんかいないぞ?
 年下でも、彼は立派な一人前の男だからな。」

「分かったから、邪魔しない・・・。
 で、出来たのか?例の・・・。」
M先輩が助け舟を出してくれた。

「ええ、資料持ってきました。」

助かった・・・。
これで、やっと本題に入れる。
持参した資料を広げ、最終結論を模索する。

「最終候補、上位3っつに残ったのが、講堂、体育館、プールなんです。
 これでは工期がかかります、いつ完成できるかどうか・・・。」

「じゃ、講堂と体育館を一緒に考えろよ。

 大概、体育館で講演するのなんか当たり前だ。
 それで一つ分の建築費、工期が浮く。
 その分、プールに工期と予算を振り分けられるんじゃないか?」

「なるほど・・・。
 さすがMちゃん。
 あ、ゴメン・・・。」

「良いよ、前みたいな呼び方で。
 俺も先輩なんて呼ばれるの、こそばゆくてな・・・。

 しかし、よくここまでやってくれたよ。
 助かった・・・。
 すべて、任せて正解だったな?

 それじゃ、明日、教頭先生のところへ持っていこう。」

そこへ、お姉さんが口を挟んでくる。
「ねぇ、その前に図書室の書庫は・・・?」

M先輩と俺は声を合わせた。

『却下します!』