全国学力試験、通称アチーブ=テスト。
基本問題から応用問題までを網羅した、業者による第三者テストだ。
結果が出るまで、一週間ほどかかる。
成績結果は偏差値として表記され、
全国で自分の順位が、どれくらいかを知るには丁度良いテストだ。
偏差値を参考として、高校を選択することが出来る。
いよいよ、その試験が始まった。
中間試験と期末試験の合間に行われるので、
いささか厄介なのだが・・・。
教室内は慌ただしいが、気にしない。
基本問題を確実に取れれば、ある程度まで点数は稼げるものだ。
応用問題は慣れである。
「大丈夫かなぁ~。」
K子が不安がっている。
女の勝負がかかっているのだから、なおさらだ・・・。
「心配するなよ・・・。
基本は、しっかりマスターしたろ?」
「でも、心配なのよ。」
「基本問題だけでも、かなり点数稼げるぞ?」
「そうかなぁ~?」
「ほれっ、落ち着け。
んじゃ、良い事教えてやるよ・・・。」
「えっ?一体なに?」
「それは、解ける問題から始める事。
1~2分考えて、解けない問題は飛ばしちゃえ。」
「え~っ!?
そんなんで良いのぉ~?」
「良いの・・・。
時間が無いから・・・。
で、余った時間で考える。」
「そっか。」
K子は、落ち着きを取り戻した。
試験は、波に乗れれば非常に楽に出来る。
一番怖いのは、焦って解ける問題も解けなくなることだ。
そして試験が始まった。
問題に一通り目を通す。
楽そうだ、これなら大丈夫だろう。