アチーブ=テストが終わった。
すると一斉に、教室内がザワメキ立つ。
ダメだっただの、ケアレス・ミスをしただの
千差万別の言葉が飛び交う。
そんな中、K子は問題合わせに余念がない。
すると、俺を見て聞いてきた。
「ねぇ。
この問題、この答えで合ってる?」
「どれどれ?
うん、オッケーじゃん。」
「よかった~!
それで、この応用問題なんだけど・・・。」
「それは、ここが関係代名詞で置き換えられるだろ?」
「ああっ。
それでこの文節が、一緒になるのね?
ふ~ん、そうかぁ~。」
なんのかんの、K子は俺に色々聞いてくる。
問題合わせを全体的に見て、7~8割がた大丈夫なようだ。
「げっ!
それじゃオレ、ダメじゃん!」
Yが、いつの間にやら傍に居た。
周りを見渡すと、クラスの1/3が集まっていた。
みんなそれぞれ、出来具合が気になっているようだ。
集まってきた連中からも、質問が飛び交ってくる。
結局、みんなの質問を受ける羽目になってしまった・・・。
「あなたって、本当に人が良いわね?」
K子が苦笑する。
「そうか?」
「うん。
ふつう、あなたみたいに教えないわよ?」
「そうかぁ~、ダメだな・・・。」
「なにが?」
「どうも、そんな風に人が悪くなれないよ・・・、俺は。」
「良いじゃない。
あなたらしくて・・・。」
K子は、微笑んでいた。