と言ってもわかる人のほうが少ないでしょうね。RPGをTVゲームじゃなく大勢でなりきりごっこで会話で進めるやつです。
私昔やっていました。
もう一度やりたいけれどネットではうまく出来ないんです、残念だなあ。
でそこからSS
キャラの一人苦労人レクサールです。
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「ああ、ここも崩れかかっていますか。困りましたね・・・修繕費もバカにならないのに」
そういって深いため息をついたのはこの屋敷に代々仕える執事のレクサールだった。まだ23歳の若さのはずだがそうは見えないのは眉間に深く刻まれた皺のせいなのだろう。
くたびれた燕尾服はそれでもきちんとプレスされていて几帳面な性格そのままに皺ひとつない。背筋もしっかり伸ばしてすっとたたずんでいるのだが・・・背負うおどろ線が彼の若さを奪っていた。
もうすぐ冬が来ると言うのに隙間風の吹きぬける壁に心底困り果てていた。
寸暇を惜しんで暖炉用の薪をやっと作ったところだったが今度は左官屋の仕事をしなければならないだろう。
レクサールは粘土質の土の調達を手配するために肌寒い廊下を静かに歩んだ。
そう・・・普通執事と言えば食器・酒類を管理し、主人の給仕をするという本来の職務に加え、主人の代わりに男性使用人全体を統括し、その雇用と解雇に関する責任と権限を持つ。が、彼の仕事はもっぱらご主人とその息子二人の身の回りの世話、それ以外の総てだった。
早い話が他の使用人はいない。
15年前は庭師やメイドも大勢いて執事の上の位スチュワードとしてレクサールの父が活躍していて、子供心にいつか自分もそうなるんだと信じていたのに。
それでも・・・それでも主人を変えることは出来ない。流行り病で倒れた父の最期が安らかだったのもこのお人よし過ぎる主人が最後まで尽くしてくださったから。
この屋敷が荒れ果てているのもそのときの流行り病とその後の飢饉で苦しんでいる領民に、亡き奥方の形見の宝石や代々伝わる家宝、家財道具など一切を売り払いつくしたから。そこまで民を思う領主は他には絶対いない。
忠誠を誓うのに何のためらいがあるだろうか。何より自分がいなければこの主人は間違いなく路頭に迷う。
もっとも主人の息子はその心配はまったく皆目無いだろう!
病弱だった彼の母親の願いはひとつだけ、「健やかに育って欲しい。」だった。願いは十二分以上にかなっている。
どこででも生きていけるしぶとい神経に育ったのはやはり自分の教育が悪かったのだろうか?
「親父~~ぃ!呼んだか?」
どうやらその息子が帰ってきたようだ。日に焼けて真っ黒だが母親似の整った目鼻立ち、のびのび育った肢体など目を見張る美少年だ、黙っていれば。
見れば肩にかけたロープの先には大きな魚がぶら下がっている。また村の子供と一緒に川遊びに興じていたらしい。
もっとも彼の持ち帰る魚やウサギ雉などが貴重なたんぱく質になっているのは事実なので、説教も中途半端になり勝ちなのは困りものだ。
コメカミを揉みながら、それでも言葉使いだけは厳重に注意せねばとルイの声がした方向に歩んだ。
「ルイ様何ですか。その言葉使いは!フライド家と言えば貴族としての地位も高く王様の覚えも目出度い栄えある一族です。その跡取りとしてもう少し自覚を持ってくださらないと。」
何度も繰り返されて耳タコな小言を言うために。