第二章 2月26日.西川口~新宿~原宿
そうそうなれていないと言うことでは、
知らずに新宿フェイズに行ってしまったのはプロレスファンの
本能、まだ衰えずといったところだったけど、切符の買い方
がすっかりわからなくなっていて、西川口まで行くのに1800円も
出してしまった。だいたい山口にいると県内移動だけでも1000円単位
だから、隣の県に行くというのに100円単位の運賃は想像が
つかなかったのだ。だが、これも勉強である。確かに精算所で
JRの人にはにべもなく返金は拒否られたけど...
朝7時にH亭をでて、西川口の駅に向かう前に、コンビニで
軽く朝食。そのまま食べながら駅へ向かい、満員電車にゆられて
仕事に行く...何もかもが想像外である。やはり首都圏は自分のいる
ところではないと痛感した。途中H氏とは別れて私は新宿を再び
目指した。実は日が昇ると新宿という町、得意なのでうろうろしても
全くノー問題。なぜかというと以前御苑の方だけど、定宿にしていた
ホテルがあって、新宿は結構たちこち歩いて道を知っていたのだ。
とはいうもののだいぶん様変わりしていて混乱はしたのだけど。
本来は神田とアキバに行きたかったのだが、そこまで行く
時間的余裕がないので、取材場所を歌舞伎町とゴールデン街に
限定した。実は飲む、打つ、買うを一切しないくせに、
この二つの町には凄い興味があったのだ。だけど、深夜に
ここを訪れれば命の危険も覚悟せねばならない。
実際、歌舞伎町は朝から客引きが幅をきかしているくらい
だから、油断はならない。しかしゴールデン街は全く閑散として
いて、本当にどこにでもある飲み屋街という感じの
たたずまいだった。荷物を新宿駅東口コインロッカーにあずけて
歌舞伎町からゴールデン街へと入っていき、いろんな
看板を撮りまくっていった。
ところが写真を写していて気がついたのだが、ここは私有地で
写真撮影は許可がないと出来ないらしい。
だが、大半撮ってから気がついたんですよね、これが。
また、たまーにすれ違うここらへんの従業員
らしい人達にも何も言われなかったんだけど。
まあおそらく想像だが、人様にカメラを向けてトラブルになることを
回避する目的でそういうルールがあるのだろう。だが、朝では
さすがにそういうトラブルは起きようはずもなかった。ましてや
全く人物にカメラ向けていないし...
さて一通り気が済んだところで、今度は新宿西口に戻った。
理由は金券ショップで新宿ピカデリーの前売りを買うため。
実はここでやっているガンダムUCを見るのも目的の
一つだったのだ。
この作品、もともとはOVAとして作られたモノで
それが大スクリーンで鑑賞に耐えうるのかどうか不安があった。
ましてや、時間も1時間強で当日券大人一人
1800円を払う気にはなれなかった。
だから金券ショップに行ってみたのだ。
ところがさすが腐ってもガンダムというべきか...
全く置いていないのだ。これは当て外れだった。
仕方ない。時間的に余裕がなくなってきたので
やむを得ず東口に戻ってピカデリーを目指した。
ところが入ってみたら、大人当日券1200円という。
これはラッキー!!まあ本来劇場版ではないということで
こういう価格設定になったのだろう。
田舎だとまず考えられないことである。
ロビーでちょこちょこ撮影していたけど、やはり何も
いわれなかった。というかこれがフツーでしょ...
どう考えたって...
個人的には今年春リメイクされる時をかける少女が、旧作.
アニメ版との三本立てで、しかも舞台挨拶ありの
先行ロードショーとして同館で上映されるという
「時かけ祭」が凄い気になったのだけど、
あいにく前売りは完売。最も仮に当日券があったにしても
本来の目的である27日のイラストレーター交流会の真裏で
いけるはずもなかったのだが....
さてガンダムUCの出来は...これは予想に反して大画面で見ても
何ら遜色はなかった。というかむしろ劇場で見ろ!といいたくなる
ほどのできだった。オリジナルが安彦さんのキャラだし、
監督が富野さんではないので理屈っぽさもほどよくブレンド
されていて、しかも逆襲のシャアの続きという舞台設定も
秀逸で、なによりガンダムユニコーンが格好いい!!
これは久々に「ガンダムを見たなあ」という気にさせてくれる
映画だった。
上映が終わって、エスカレーターで下に降りていると
途中でエレベーターが見えたので
これ幸いと乗っていたら、なんと上に上がってしまって
また元きたところに逆戻りしてしまった。
何のことはない。
外出慣れしていないとこういう事も起きる....
ピカデリーを出てアルタ前から東口へ戻り、
荷物をとって原宿へ...実はこの時点でクスリを
飲んでいなかったのでちょっとやばい状態になっていた。
おまけに朝はおにぎり一個だったし...というわけで
原宿に着いたらなんか食べようと思っていた。
そもそも上京しても行くのが後楽園ホールと東京
ドームのある水道橋か、両国、それか神田とかアキバ
なんで、原宿は純粋にはじめて訪れる町なんである。
てか、実際こんなところ自分が合うはずないと思っていた。
若者の町だし、おしゃれでもないし...
竹下通りから駅の外に出てみると一層その感を
強くした。「なんかうぜぇ...」と思ってしまった私はもう
いい中年のオッサンである。ここには居場所ねーよなあ...
と思いつつも、とりあえず目にとまった吉牛にはいる。
ここならどこで食ったって味は同じである。
入ってみると店は思いの外狭くて、私はたまたま
潜り込めたのだけど、後から来た人は入れなくて帰る人もいた。
さすが原宿というか...感心してしまった。とりあえず
Aセット500円で腹をふくらませてクスリを飲んで、
待ち合わせであろう、原宿駅に戻った。
実はこれからこの周辺のギャラリー巡りをするのである。
だが、この時実はネットをよく見ていなかったおかげで
待ち合わせ場所が変わっていたことを知らずにいたのである...
(続く)