シア・エルトオンは『氷の賢者』と、みんなが言っているが、実はその上位『氷結の賢者』だ・・
『氷』は、『気体』を凍らせる事が出来ない。
どの様な行動でもエントロピーは増大するので、奇特な魔力属性と言える。
シアは、その魔力の高さから、王室でお抱えの賢者として勤務する事になった。
勤務と言っても、書類に押捺したり、王族や兵士に魔術の講義する程度・・暇でしょうがない。
「でも、3日勤務するだけで家族が一月暮らせるくらいお金もらえるんだから、仕方ないか・・」
廊下歩いていると、高い金属音・何事かと見ると中庭で剣を交える人達「剣士の練習試合?」
本来なら身体のほとんどを金属の防具で覆い武装しているはずの人達が盾と小手胸当てだけで対峙してる・・「痛くないのかな・・」
興味を持ち階下への階段を降りる。
その場は熱に包まれてた・
汚い罵声や怒号・・
正直、なんで私は此処に来たんだと思い帰ろうとした時、彼女が立つ。
「次の相手はサリ!」
『場』の空気が変わる・・ソレ迄の声が消え静かになる。
『サリ』と呼ばれたのは女の子・私より小さな身体、防具を着けず細身の剣だけを携えた娘
それが彼女との邂逅
:以前投稿した、『魔女』達の片方トエとアユのお話の、『アユ』のお姉さん『賢者シア』とその従者『剣士サリ』のお話です。