扉が開き彼女と目が合う・・それが合図・・
私は身近の花瓶を投げる。
ソレは彼女の前で数回の斬撃(何をしたか全く見えない)、形を保てなくなり斬られた形のまま壁に当たる。
彼女は既にその場に居ず、もはや私の知覚認識外・・
その気配に、振り返り後ろを見ても居ない・・
昼間見た彼女の動きとは別世界、全力の『風の功』は人の追い付けない領域なのだと知る・・
しかも!更に驚くのは、それだけ早く運動していて、全く音が無い事、たぶん風の目を読んで行動してるのだろう・・
本当は、投げた花瓶を気にしないで真っ直ぐ私に来る・・て、思ってた・・その場合は私の負け。
・・でも、彼女はしなかった。
それが、勝負の分かれ道・・彼女は私に恐怖を感じたんだ。
キラキラと輝く粒子が舞う中「ま・参りました・・」の声・振り返りながら『氷結の魔力』解除・・
そこに、辛うじて剣携えているけど、ガタガタと震え蒼白な彼女・・
しまったやり過ぎた!!「ユリ!水の賢者呼んで!」
『もう扉の前に来てるよ・』突然耳元で声・『風』の魔力だ。
「見てたの?」
『部屋の中までは分からないから推測♪』
「ありがとう」
『氷結の賢者が、私に頼る場面って少ないから貸しね♪』
「う、はい・・」