「只今帰りました♪」
ノックをして、開いたままのドアから入って来るサリ、荷物は背中に背負ったカバン一つだった。
「他の荷物は?」
「?これだけですよ」
剣士ってそんなものなのかしら?・・
まぁ良いわ・・「これから、よろしくね♪知ってるかもしれないけど、私はシア・エルトオン『氷結』の賢者よ、主な仕事は『魔力』に関する戦略講師」右手を出す。
えへへと笑い、彼女も握り返す・剣士だけあって少し痛い「はい!知ってます、講義は見習いだから受けた事無いけど、名前とお姿は・・」
握られた痛みを忘れる「貴女あれだけ強いのに『見習い』?」
「私・・防具着けると早く動けません、後軽い剣しか・・」
そうだった!『風の功』は、遮るものを嫌うんだ!・・
「なので、剣士見習いのサリです宜しくお願いします」
・・え?『家』の名は?ソレは直ぐに判明する・・「・・えと、先の火災で親を失ったので『家名』はありません」
一瞬言葉を失う『イシュナの大火災』3年前にあった忌まわしい大災害「そう・・」
眩しい程の笑顔!「シア様、私は今幸せです♪だから可哀想だとか思うのは止めて下さいね♪」
?!そうだよ、彼女自身が幸か不幸か決めるんだ!私が決める事じゃは無い!!
「よろしくね、サリ♪」
「はい♪ところで『風の功化』は、まだ講義途中だったと思うんですが?♪」
「そうね♪、荷物を置いて、お茶を入れてゆっくりとしましょ♪蜂蜜パンも付けるから」
「はい♪楽しみです♪♪」