キルケ様は『知っている事に意味はある』って言う。
ん、その言葉通り経験も知識も自身の糧だ・・
ふと見るキルケ様の表情は穏やかで、私の考えは間違いは無い・と、確信する。
「レン・次の始まりは14時から」
「はい!」
空いた食器を重ねて、洗い場へ・・
全て運んだ後、私に付いて来たサキが言う「洗い物は得意の『水属性魔力』使わないのか?」
「使わない」
「なんで?」
「キルケ様が駄目って言った」
「調理はオッケーなのに?」
「なんで、料理に『魔力』使ったの知ってるの?」
「やっぱ使ったんだ♪」
しまった!「引っ掛け?!」
「へへ」
「使ったわよ!これで満足?」
「ちゃう、調理はオッケーなのに洗い物は駄目な理由」
「あんたが・お客が居たから、調理時間を短く・魔力解禁するからって言われたの!コレで満足?!」
「レン」
「何よ!」
「弟子入りを希望する私が、『お客』を満足するって思う?」
「ソレは・・」
「さっきの話も、レンの為だったのが分かる・・私とレンで、何が違うの?」
涙を堪えて言う「レンは、羨ましいばかりだ・・朝起きてすぐ『最高の師』が目の前に居る・ソレから寝る迄『教え』は続くんだ」