最近、K子と俺、それにYとU子、更にはEとC子が加わり、
この6人で話をする機会が何かと多くなった。
C子は京都から親の転勤で転入してきた。
引っ込み思案な性格で、
京都弁を気にしてクラスに溶け込めなかったようだ・・・。
また、Eは男のわりにキャシャで、変声期が遅れている。
その為、女子のように甲高い声のせいで男子の中でも浮いていた。
だが、俺もK子も気にしていなかったし、当然、YとU子もである。
それらの事に偏見を持たずに接するうちに、
いつしか俺たちの仲間になっていた。
多分、そのせいであろうか?
このところのクラス内の雰囲気が、大分変ってきていた。
特に男女の仲が、このクラスは非常によくなったのだ。
当然、偏見も無いからいじめも無い。
更には気兼ねもせず、女子から男子に声をかけ話をするようにもなった。
そして男子は、女子を決して差別せず、
女子に協力を申し出るようにまでなっていたのだ。
この事は以前、個人的にも確認実証済みだった。
もともと男は女に、女は男に興味があるものである。
だが、どう接すればよいかわからず壁を互いに作ってしまう。
互いの接し方がわかれば、自然と仲は良くなるものだ。
その接し方を誰かが実践して、見せてやればよいだけなのだ。
今回の実践者は、俺とK子、YにU子、
それにEとC子の6人であった訳だが・・・。
大した成果である。
そんなクラスの雰囲気のせいか、
K子はためらいもなく、いきなり俺に問い詰めてくる。
「ねぇ、ところであなたさぁ~。
私に、肝心な言葉を言ってくれてないんじゃない?」
「はぁ?
え~っと、何を・・・?」
「ほらっ!何かあるでしょ~?」
俺を睨んでる・・・。
「そんなこと言われても、何を言えば良いんだよ~?」
「まったく、鈍感なんだからっ!
・・・もういいわっ!
知らないっ!」
K子は、俺にそっぽ向いてふくれた。
「そんなに怒るなよ・・・。
ほら・・・、その可愛い顔が台無しだぞ・・・?
だいたい、分からないものは分からないんだから、仕方がないだろ?」
「ふ~ん?
私のこと、可愛いとは思ってくれてるんだ~。」
「ま・・・、ま~ね。」
「そうかぁ~。
じゃ、今回のところは大目に見てやろう。」
何やらK子は、ニヤニヤし始めた。
褒めると御機嫌ならば、何度でも褒めてやろうじゃないですか。
んで何?肝心な言葉って・・・?