翌日、K子は学校を休んだ。
おそらく医者で、関節に溜まった血でも抜いたのであろうか・・・。
もしかすると、もう一日休むことになるかもしれない。
今日は一日、隣の席は空席である。
なんとなく、空虚感に襲われる。
俺は、担任からプリント回収を言い渡された。
放課後に職員室まで届けなければならない。
まぁ、気晴らしには丁度良いか・・・。
回収したプリントを職員室に届けると、S美に廊下でバッタリ出会った。
そう言えば、職員室の先に保健室があったんだっけ・・・。
「ねぇ、いま暇?」
S美が嬉しそうに駆け寄ってくる。
はて・・・?
俺の事を嫌ってるんじゃなかったのだろうか?
「ああ、用事はいま済んだところだ。」
「じゃ保健室で、お茶でも飲んでいかない?」
「おいおい、いつから保健室は喫茶店になったんだ?」
「いいから、いいから。」
S美は俺の腕を掴んで離さない。
今までの俺に対する態度と違い、やけに積極的なアプローチだ。
俺は、強引に保健室へ引きずり込まれた。
「ねぇ、ココ静かでしょ?
それに今の時間、滅多に人来ないのよ?
だから私、ココが好きなの。」
「そうかぁ・・・。
自分の居場所が持てて良いなぁ。」
「あなたも放課後、ココに来れば持てるわよ?
しかも、お茶付きで・・・。」
S美は微笑みながら、俺に語りかけてくる。
「そいつは、いいや。」
「ねっ、何飲む?
コーヒー?紅茶?それともジュースが良いかしら?お茶もあるわよ?
しかも、お茶菓子までありま~す!!」
あれ?
S美って、こんな性格だったか?
「えっ!?
そんなのまであるの?
保健室・・・だよな?ココって・・・。」
「うふふ・・・。
学校医の先生が、いらっしゃった時の為に用意してあるのよ。」
「なるほどな・・・。
勝手に飲食して、大丈夫なのか?」
「わたしが居るから、心配しなくても大丈夫よ。」
「それじゃ、お言葉に甘えて紅茶でも貰おうか?」
「紅茶ね?
いま入れるから、そこに座って待っててね。」
鼻歌交じりで入れてくれている、S美は上機嫌である・・・。
なんだ・・・?
なんなんだ?このシチュエーションは・・・。