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英字5文字さんの公開日記

2013年
08月03日
20:25
教室に入るのが、なんとなく恐い。
血の雨が降りそうな、嫌な感覚に満ち溢れている。

廊下でU子が待っていてくれた。

「いまK子、ご機嫌ナナメだから。
 気を付けて入った方がいいわよ?」

「当然だよな・・・。
 分かった、ありがとう。」

目の前であんな場面を見せられたら、
謝っても、そう簡単に許してくれないだろう。

それならば下手に刺激せず、普段通りに席へ着くしかないな・・・。

「おっす。」

「あら?
 隣のかたは、ド・ナ・タ・だったかしら?」

「お~い、K子さ~ん。」

「あらやだ、私の知らない人だわ。」

「あのね?
 それは、無いんじゃない?」

「気軽に・ワ・タ・ク・シ・に、話しかけないで・く・だ・さ・る・?」

「おいおい・・・。
 なんか、言葉が刺々しいぞ?」

「わたくし、知らない人には返事をするなって、親から教わってますの。」

「俺に一体、どうしろって言うの?」

「知らないわよっ!!
 さっさと、あの女のところへでも行っちゃえばっ!?」

「そりゃ無いだろ~。」

「もう、うるさい!」

「K子さん?」

「・・・・・・。」

「K子ちゃん?」

「・・・・・・。」

「やっほ~。」

「・・・・・・。」

「お~い。」

「・・・・・・。」

「K子~。」

「・・・・・・。」

「もう、どうすりゃ良いんだよ・・・。」

「じゃ、告白してよ!」

「・・・・・・・・・嫌だ。」

「なんでよ!?」

「おまえ・・・俺の気持ちぐらい、判ってるだろ?」

「そんなの、言ってくれなきゃ判らないわよ!」

「わかった、そのうちに言う。」

「いま、言いなさいよ!」

「だから、待ってろって・・・。」

「言わなきゃ、私も認めないからね?」

「いま言ったら最後、この先ず~っと、お前の尻に敷かれるだろうが。」

「・・・・・・ぷっ。」

そして、いきなりK子は笑い始めた。

「もしかして、それを今まで気にしてたの?」

「悪いか?」

「馬鹿ね・・・。
 でも、絶対に言わせて見せるからね?
 その時は、私の勝ちよ?」

本音を言ってしまえば、
『愛してる』などと言ったら、
K子を縛ってしまいそうで怖いのだ。

いまから、K子の恋愛の自由を俺が束縛して良い訳がない。
まだ、互いに中学生なのだから・・・。