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英字5文字さんの公開日記

2013年
08月19日
00:43
M先輩との打ち合わせが済み、
4階の3年の教室から、やっと自分の教室に戻ってきた。

「ただいま~っ。」

「あら、お帰りな・・・。
 ん・・・?
 ・・・ちょっと待って。」

俺は、いきなりK子に裾を引っ張られた。
なぜ引っ張られたのか分からず、K子に問いかける。

「なに?どうしたの・・・?」

一体どうしたんだ?K子のやつ・・・。

「女の匂いがするわ・・・。」

「えっ!?」

まさか、さっき抱きつかれた時の匂いなのか?

「ねぇ、あなた・・・。
 いったい・・・、どこへ行ってらしたの?」

K子の口調が、いきなり変わった。
これは、かなり怒っている・・・。

「どうした?どうした?
 ねぇ、浮気?浮気?」
YとEが、何事かと集まってくる。

「こらっ!
 あんたたち!
 余計な邪魔しないの!!」

そこにU子が割り込んで、YとEを静止させてくれた。

そして、K子の追及は続く・・・。

「ねっ?
 わ・た・し・・・、怒らないから。
 正直に話してくださる?」

「それはウソだろ?
 怒らないって、目がすわってるじゃないか・・・。」

更にK子は、言葉を続ける・・・。

「な~に?
 私に言えないところ?」

「だから、3年の教室だって。
 お前だって、出かけるところ見てたろ?」

「それは分からないわよ。
 私の見てないところを回って行ったのかもしれないし・・・。」

「疑り深いなぁ・・・。
 そんな事、する訳ないだろ。
 決して、怒られるような事は、し・て・ま・せ・ん。」

「本当?」

「はい!
 天地神明に誓います!」

「そう・・・。
 嘘だったら許さないからね・・・?」

「だから、嘘ついてないから・・・。」

まさか、移り香が残っているとは、思いもしなかった。
というか、女ってこんなに敏感なのか?
知らなかった・・・。

たかが匂いだけで、こんな窮地に陥るとは・・・。

「許してあげなよ、K子。」

U子がフォローしてくれる。

そうだそうだ、感謝するぞU子。
さすが、俺の幼馴染だ。

だがK子の不信感は、これで治まらなかった・・・。

「だってU子ちゃん。
 間違いなく、これ女の匂いよ?

 しかも、あの女の匂い・・・。

 この人、保健室の女と会ってたんだわ・・・。
 きっと・・・。

 そうに違いないわ!!」

ちょっと待て!
そこまで、匂いを嗅ぎ分けられるものか!?
確かに姉妹だから、似てても当然かも知れないが・・・。
狩猟犬並みの嗅覚だな・・・。

女の怖さを始めて知った・・・。

すると、S美を知っているU子の顔色が変わった。

「えっ!?
 わかった!

 私が事情をキッチリ聴いてくるから、K子はココに居なさい。

 まず、落ち着きなさい!
 いいわね?」

U子はK子をなだめて座らせた。

「ちょっと、あんたはコッチにいらっしゃい・・・。」

俺はU子に連れられて、廊下に出た。
まるで、罪人のように・・・。

YとEは、陰からこちらを伺っている。

おいコラッ!
お前らも、ちょっとは俺をフォローしろよ!
おまえら、パパラッチか!!