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英字5文字さんの公開日記

2013年
11月23日
03:50
7月に入り、日差しがだんだん強くなってくる。

期末テストを目前に控えた、ある休み時間。
C子とU子、それにK子の3人が談笑していた。
すると、K子がいきなり口火を切った。

「このところ、暑くなってきたよねぇ。」

俺はギクッとした。
K子・・・おまえ、なに余計な事を話してるんだよ・・・。
どうも雲行きが怪しくなってきそうだ・・・。
俺は内心、焦り始めた。

「ほんとだよねぇ。」
C子がそれに賛同する。

「こう暑くなると、プールに入りたいよねぇ。」
U子が下敷きをうちわ代わりに仰ぎながら話す。

げっ!
やっぱりその話になったか・・・。
トボケられるなら、それに越したことは無い。

そうだ、聞かなかったし見なかったことにしよう!

「俺が聞いたところだと、プール作るの後回しらしいぜ?」
Yが口を挟んでくる。

この野郎、またも余計な話をしてくれる・・・。
知らんぷり、知らんぷり。

「うそっ!?なんで?」
Eが話しに加わってくる。

なに集まってんだよ、こいつら・・・。
そうだ、俺は話に入らなかった。
傍で聞いてるだけだ。

うん、そうだ!
このまま何気ない顔を押し通すことにしよう。

そうそう、知らないフリ、知らないフリ・・・。
が、しかし・・・。

「ねぇ、そうなの?」
突然K子が、俺に代表して聞いてくる。

「へっ!?」
おまえ、それは無いだろ~。
これじゃ、逃げられないじゃないか・・・。
一体全体、何と答弁すればいいんだ?

一度決定してしまったことを変更する訳にいかない。
この際仕方がない、逃げるのを諦めよう。

この時俺は、謝ってしまうのが一番の得策だと判断した。
結果的に責任は、俺にあるのだから・・・。

「はい、その通りでございます。
 わたくしのせいです、ごめんなさい。」
俺はみんなの前で頭を下げた。

「やっぱり、そうなんだぁ~。
 でも、なんで後回しなの?」
更にK子は追及してくる。

「まぁそのぉ~、つまりですな。
 何と申しましょうか・・・、今期の予算が無くてですな・・・。」

「まるで、政治家の答弁みたい。」
U子が突っ込んでくる。

はいはい、どうぞ非難してください。
この事は当然、クラス中に伝わるだろう。
こりゃ、全校生徒に伝わるのも時間の問題だな・・・。

「そっかぁ~。
 予算が無いんじゃ、仕方が無いわよね。」
K子は、意外にあっさりと納得した。

これまでの経緯ややり取りは傍で見ていたし、
K子自身、うすうすは感じ取っていただろうから・・・。

「来期の予算で、プール建設を確約してきたから。
 来年の春以降に、プール建設工事が始まる予定なんだけどね・・・。」

「それじゃ私たち、プールに入れないで卒業じゃない?」
K子は俺の顔を覗きこんでくる。

「う~ん・・・。
 まぁ、そうなるかなぁ・・・。」
俺は頭を掻きながら苦笑いをした。