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新田真子さんの公開日記

2013年
12月08日
07:27
12月ですね。
カートゥーン的には12月といえばハロウィーンに続いてこの時期だけのクリスマス・エピソードの季節。もっともカートゥーンネットワークは放送中の番組では時期に関係なくクリスマスエピソードもエピソード順通りに放送してますが、放送休止中の作品や、長編スペシャルなどはこの時期でないと見られない。

で、早速ディズニーXDでは「学園NINJAランディ」のクリスマス・エピソードからスタート。
クリスマス・エピソードの方もよく出来ていたんですが、エピソード的に重要度が高めなのはCWのエピソード8-bのほうで、何代前なのかはわからないが、かつてニンジャだった男の逆襲劇。まだニンジャの経験の浅いランディ対、ニンジャの掟に抵触してニンジャの資格を剥奪された男の戦いなのだ。考えてみれば4年に一回新しいニンジャが選ばれるんだから、過去100年(ノリスビル高校が100年前からあったと仮定してだけど)だけでも25人のニンジャがいたことになるのだな。こうなるとノリスビルには歴代ニンジャがごろごろいることになるので、実はランディの知らないところでニンジャの手助けをしているよ、みたいなエピソードもでてきそうですな。もっとも、先代ニンジャの帽子の男は今のところ何もしてないみたいだけど。
#8-aのクリスマス・エピソードも、よかったんですが、ランディとハワードの関係から、やはりアメリカと日本の脚本(あるいは考え方)の違いを感じましたよ。
おおむね日本では主人公とサブキャラクターが友情を結ぶと、この友情は人間関係の基本構造となるので、普通壊れません。エピソード的に壊れたように見えても実は理由があって結局「オレはお前を裏切らないぜ」や、「お前のことは信じていたぜ」となるのがほとんどです。日本では友情とは裏表や裏切りがあってはならないという強い概念があるので、一度結ばれると、いうまでもないくらいずっと続くのがあたりまえみたいなところがありますね。逆に壊れてしまうと究極の敵みたいなことになったりします。
これは基本的に両者が同じ価値観を共有しているという前提がかなり強固にあるということだとおもわれます。このためお互いに悪態をつくことがあっても、普段からいつも同じ方向をむいているんだなという人間関係になるわけですね。
でもアメリカの場合、友情はしょっちゅう崩壊の危機に見舞われます。(それ自体がドラマだからという理由もあるでしょうけど、逆に言うと日本ではこの部分のドラマをあまり描かないともいえますね)「どうして裏切ったんだ、」「なんでそんなことするんだ、」「信じていたのに、」「そういうおまえはどうなんだ、」なんて状況はしょっちゅうでてくるわけです。たとえ親友同士でも、一人一人は別の人間だから、視点や考え方、価値観に違いがあって当たり前というわけですね。でもそういう状態を乗り切って互いに認め合い許しあい分かり合っていくのが友情という関係なんだというわけですね。
ランディとハワードは親友だけど、親友同士ならではのつい相手の痛いところまでついてしまうという場合がけっこうあって、その痛いところをつかれた痛み、そんなつもりはなかったのについてしまった痛みをお互いどう乗り切っていくのかが「学園NINJAランディ」の意外といい感じな部分だといえるんじゃないでしょうか。ヒーロー物だけど、主人公たちのこの普通な人感覚がいいんですね。ついでに2人とも馬鹿だしね。馬鹿はいいね。

ディズニーチャンネルは日本ディズニーチャンネル放送開始10周年記念特別編成も手伝っていつになくにぎやかな12月。で、「フィニアスとファーブ」第4シーズンのクリスマス・エピソード、ていうか、ニューイヤー・エピソードですね。第4シーズンはアメリカでは珍しくウィンター・ホリデーシーズンからのスタートで、時期的にもぴったりだったということですね。
それに加えて、「フィニアスとファーブ、Marvel ヒーロー大作戦」も日本初放送。
こういうクロスオーバーものはなかなかどっちつかずの雰囲気になったりする場合もあるんですが、これは面白かった。もちろん「フィニアスとファーブ」なので、アメリカン・コミック方向からカートゥーン寄りになってはいるんですが、ディズニーXDの「アルティメット・スパイダーマン」のおかげで(声の出演も「アルティメット・スパイダーマン」組ですね)わりとすんなりカートゥーン・コメディの世界にとけこんでます。
なによりマーベル・キャラがバランスよく自分のスタンスを崩さないのがよろしい。ああ、こいつだったらこの状況でこんなこと言いそうだ、という、アメリカお得意のシチュエーション・コメディの方法論がちゃんと成立しているのがおみごとでした。スパイダーマンが両世界観のいいクッションになってもいますね。さらにくわえて、珍しい怒りのフィニアス(ザ・ムービー以来2度目か)や、今回女性スーパーヒーローがいないことまでストーリーにおりこんでくるあたり丁寧に脚本をつくっていて実に結構。安易にペリーにスーパーパワーを与えるなんてこともしないのがとてもいいよ。まあ、ペリーは普段からスーパーだからね。あたくし的にはニック・フューリーの「なぁにをしているんだ」が最高でした。こういう会話の最中なにかというとちょっと横道にそれるってのはいいね。アメリカン・コメディの会話劇のいいところですよ。つぎが「ハンマーがないと」ネタね。やっぱりハンマー(ミョルニールね)をいじってみたいよね。パワーの戻ったソーがキャンディスにハンマーを差し出すのもいいね。この神様は紳士だね。ビーク・スーツ・マーク2があっというまにやられてしまうのもいいよ。相手はプロの悪党だからね。こういう部分がちゃんとやってるなと思えるところですね。
ともあれ、期待以上のできだったので大変けっこうでした。
新エピソード放送開始から一端リピートにもどった「フィニアスとファーブ」ですが、10周年特別編成のCMでは第4シーズンの新エピソード「mind share」のカットもでてくるので、どのタイミングで新エピソードが入ってくるのか油断できませんよ。

これから毎週のようにクリスマス・エピソードが放送されまくるのでこの時期の番組チェックは大変ですね。カートゥーンファン共通の悩みではなかろうか。

クリスマス・エピソードではないけれど、来週末のディズニーチャンネルは「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」の連続放送で、新エピソード#14登場。でも#13(Boss Mabel)が抜けてるので、本格的な新エピソードのレギュラー放送は来年からでしょうかね。それはそれとして、この連続放送ではミニ・エピソードの「ディッパーの謎ガイド Dippe's guide to the unexplained」も6話一気に放送。これは見逃せないよ。#14以外はもう観てるからいいかなんていわないでちゃんと観ましょうね。本編では描ききれない謎また謎のグラビティーフォールズの街の謎の一端がついに明かされるのだが、ミニ・エピソードでオチなんかつけなくてもいいと思って本編以上にやりたい放題の問題作だらけ。特に「左側の男」がひどい。なんだあれは。しかしどんな謎より怖いのは「熊雄君」だよ。多分日本語版でも「くまおくん(あるいはくまおちゃんか、くまおさんでもいいけど)」になるんじゃないかと思うんだけど。おりしも「くまモン」大ブレイク中の日本だけど、ついにライバル登場だ(うそです)。

そんなわけで、忙しい年末をさらに忙しくする12月のカートゥーンシーンを楽しみましょう。