恋はしたいけれど
僕は誰かと手をつなぐイメージもない。
抱くことはおろか、キスさえも分からない。
ただ一つだけ、語り明かしたい夜があれば
そばにいてあげられればよいと
そんな使命感だけは意識する。
歌が聴ければいい。
今、イライラすることといえば
繊細な指の動きを表現できないペンタブレットくらいだ。
画質を上げればいいだけですよね。
でもそのために絵板で馬鹿デカい絵を描くのも億劫だし
なにより、それを縮小する術も知らないから、まぁいいや。
人に絵を見せるのは嫌い。
「上手い」「すげえ」「下手糞」「ここをこうすればいい」
聞きたくもない。
私が絵を描く理由は、そんな言葉を引き出したいんじゃない。
褒められたいわけじゃないんだ。
でも褒められると嬉しくて、影で尻尾を振ってしまうから困る。
これは性だね。
どうせなら、好きって言ってもらえる絵を描きたいのさ。
絵を描く時に一つだけ意識していることと言えば
「二度と描けない絵」だろう。
二度描ける絵なんて、あるとは思えないけれど
二度も描こうとは思わないほど、色を混ぜて使う。
水彩を使うときは、ね。
ぁー、あっついわぁ。