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モンスターAMさんの公開日記

2009年
11月30日
12:46
 前半5試合終わったところでで休憩。
ここまででもうおなかいっぱいなんだけど、
まだあるの?って感じ。

 なんということか...カメラの
バッテリーがここで切れてしまった。
ペース配分もへったくれもない撮影が
災いしてしまった。ここで既に19時半過ぎ。
まだ4試合あるぞ...大丈夫なのか?
体中が痛くなり始めていた。

 見ると若手勢が最近滅多に見なくなった
リング調整をしている。リングの掃除も
していて、これはなかなか好感がもてた。
今はメジャーでも余りやらなくなってきた
ものね...商売道具なんだから大事に
して当然なのに。

第6試合 スペシャルマッチPART1ノータッチルール
30分一本勝負  

●谷口勇武(華☆激).旭志織(K-DOJO)対
○めんたいキッド(九州プロレス).MIKAMI(DDT)

 ここから二試合は、ほぼプロレス一本で
食べている人達の試合が続いた。
まあ、しかしあきれるほど豪華な顔ぶれである。
といってもめんたいキッドは全く知らなかった
んだけど、これがとんでもない実力者!!
難易度の高い技もすいすいこなし、
このメンツの中で一番目立っていた。
後で聞いたらどうも他団体の練習生かなんかを
やっていたらしい。以前はどこにいたのだろうか?
こんな逸材が眠っているとは、九州プロレス、
恐るべしである。MIKAMIもラダー持参で、
自前の興業でもないのに、律儀にはしごを
使いこなし、いつも以上のファイトを心がけて
いた。見上げたプロ根性である。
はっきりいっちゃうとあまりに試合がめまぐるし
すぎて、ケータイでも追いつかないくらいの
ド迫力の試合展開だったため、ぶっちゃけ
バッテリーが持っていても、試合は撮れなかった
と思う。そのくらいのめり込んで試合を見ていた。
とにかく繰り出される技に対して単純に
「おおー」「すげー」「うわー」といって
いればいいんだから、本当に楽である。

 何も考えさせる余地を与えないプロレス
というのもなくてはならないものなんじゃ
ないかな?っていうかプロレスって元々
そう言うものだったはずだし。
谷口も地元のテリトリーで負け役を引き受けた
というのは勇気がいったとおもうが
(ましてや普段交わることの絶対ない
九州プロレスとの対抗戦である)、よく
耐え抜いたし、はっきりいってホームリング
よりいい試合をしていた。
ここまでできるとは夢にも思わなかった。

 こうして普段ない面まで見せてくれたと
いうのは、ここまでの興業に対して、
相当な危機感を持って望んだ証拠だと思う。

第7試合 スペシャルマッチPART2
30分一本勝負

●久保希望(華☆激).澤宗紀(バトラーツ).
関本大介(大日本)
対 ○田中純二(九州プロレス).HARASHIMA
(DDT).真霜拳號(K-DOJO)

 なんだ、この顔合わせは!!
これがセミ前なんてうそだろうという顔合わせ
である。とにかく団体のエース格が一堂に
会している信じられないタッグ戦は、
真霜組の急襲からスタート。とにかくここから
約20分、選手が全く止まらないのだ。
展開を追うだけでとにかく唖然呆然の連続。
とにかく目を見張ったのは、体の厚みとオーラ。
こればかりは潤沢な練習環境と豊富な試合
経験がなくてはどうにもならない。
つまりは自分の持っているものすべてを
出し切らないと、兼業レスラーに食われて
しまうという危機感の裏返しではなかったか
と思う。自前の興業でもないし、ゲストなんだ
から顔だけ見せておしまいですよ、
なんてことをしてもよさそうなものなのに、
みんな手抜きどころかとにかく必死。
形相からして違うのだ。圧巻だったのは、
関本が真霜の渾身のミドルキックを二の腕で
受けてしまったこと。しかもそれではね返す
有様。これは凄かった。リングサイド一列目で
見ていて良かった。とにかくものすごい迫力なのだ。

 そしてぶっこ抜きジャーマンにアルゼンチン...
そうまさにこれはバチバチだった。
バトラーツ出身者(田中と澤)がいたから
こうなったというわけではなかろうが、
キャラも普段やっているスタイルも一切忘れて
ただのレスラーとして、内容だけで勝負して
いった彼らには尊敬の念すら抱いた。
間違いなく今年見た中ではベストバウトである。
この後、セミとメインが控えているというのに、
それすらおかまいなしにひたすら撃ち合い、
受け合いをただひたすらに繰り返した
6人には賞賛の拍手を送るしかなかった。

 とにかくこの試合でのどがかれてしまい、
声が出にくくなってしまった。
今こうして振り返っている現在も
のどが痛い。そのくらい凄かったのだ。
何度も言うがこの6人は本当に凄い。
凄すぎる。そして久保!あんたはよくやった。
普段小さい華☆激の中ではヘビー級の
役回りを引き受けている彼だけど、この日は
自分より体格のある相手に対して一歩も
引かないファイトを見せてくれた。
たぶん限界ギリギリまで自分を追い込むこと
の出来るファイトが出来て完全燃焼できたのでは
ないかと思う。試合後はノーサイドで、
帰り際澤がふざけて田中のふんどしを
ぎゅっとあげて、田中が悶絶するという一幕を
のぞけば^^ただ、ただひたすらに
「激しいプロレス」(NOTカウント2.9プロレス)
を見せてくれた。みんなありがとう!!
私はあなたたちに会えて幸せですっ!!
プロレスファンでいて良かった!!
本当に本当にありがとう!!

第8試合 GWAタッグチャンピオン決定戦!!
60分一本勝負

●マイケル.ジェロニモ.ニコラス今中ジョリー
対 ○ブルート健介.マスクド.PT

ROC組がタッグ王座戴冠

 さあ、前の試合の興奮冷めやらぬ内に
はじまってしまったタイトルマッチ。
どうやっても前の試合は超えられそうに
ないのに、どうするんだ?がむプロ...
と思っていたら、ここに持ってきたのは、
いつもの興業でやっているらしい、
正規軍対ROCの因縁抗争。ストーリー性のある
この抗争劇ははじめて見るものにもわかり
やすい演出が施されていた。

 ブルート健介は普段、全日本などの会場
で見かけるときはただの、体格のいい、
切符をさばいてくれる関係者という感じで、
オーラも何もないのだが、この日見た彼は
全然違っていた。やはり彼はプロレスラー
だったのだ。特に背丈が大きいわけでもないが、
体の厚みは半端無い。そして受けるときは
しっかり胸を出して受ける。これが絵に
ならないとただのおっさんなのだが、
そこが大きく違うところ。

 だから、技は基本的なムーブばかりなのに、
どれも説得力があって、なおかつヒールとしての
すごみも加わっているから、迫力十分。
背丈は私より小さい(というか全員そうなん
だけど)けれど、リング上では大きく見えた。
これもプロレスラーとしての必要最低条件を
兼ね備えていた。

 試合は正規軍ジェロニモがニコラスを
裏切っての、まさかのヒールターン。
会場大ブーイング。といっても事前にこれは
試合開始前に懇切丁寧な説明があったので、
予定通りといえばそれまだなんだけど、
前の二試合が凄すぎて、観客の誰しもが
そういうストーリーが用意されていることを
忘れ去ってしまっていた。
もしここまで計算してこのマッチメークを
したとしたらこれは相当頭の切れる人が
いるに違いない。

 いや、恐れ入りました。
あれだけの熱戦の後にまた観客の視線を
がむプロに戻したというのも凄い。
これは全員一致で取り組んだチームワーク
のたまものでしょう。

第9試合 GWAヘビー級選手権試合!!
60分一本勝負。

●王者.JOKER 対 ○挑戦者.SMITH

SMITHが新王者に。 

 前の試合もそうだったが、がむプロの
ベテラン選手はオリジナルムーブや必殺技も
持っている。この二人にもオリジナルムーブ
があって、ジョーカーは腕に決める
ドラゴンスクリューや、変形のスイングDDT、
スミスにはこれまた変形のエクスプロイダー
(メディコさんの話によると、彼本人が
「あれはエクスプロイダー」といっていた
そうだ)を使っていた。そしてこの二人は
何よりオリジナルのキャラクターを持っていた
と言うこと。あえて似ているところを探せば
ないことはないけど、ROCのスミスは黒の、
正規軍のジョーカーは白のコスチュームで
見た目にもわかりやすい。ところが入場は
ジョーカーの方がヒールっぽくて、スミスは
マグナムばり?(それは言い過ぎだけど^^)の
ダンス付き入場とスタイルは正反対。

 この試合には前の試合の流れをくんで
前半ROCがやりたい放題に介入して、試合を
むちゃくちゃにしていたのだが、スミスが
「正々堂々とやらしてくれ」と懇願。
憮然とした感じでROCが引き上げていった、
そこからが本当にこの試合の凄いところ
だった。とにかく腕なら腕、足なら足の
一点攻めを両者がセオリー通りにきちんと
展開していたのだ。
まさにオールド.ファッション.プロレスリング!!
試合前メディコさんに「いわゆるフツーの
プロレスは期待しない方がいいですよ」と
釘を刺されていたものだから、よもやの
展開にうれしい悲鳴。

 まさか、社会人プロレスでこんな
オーソドックスなプロレスらしいプロレスの
攻防が見られるなんて思っても見なかった。
そしてこの二人がこんなに出来る選手だ
なんて知らなかった。特にスミスは、
はっきりいってプロレス一本で食べて
いけなければおかしいくらいの人材である。
そのくらい徹底的にオーソドックスな、
そしてそれでいて洗練されたムーブには
息をのまされた。まさに一進一退でこれほど
試合にのめり込めようとは、誰が事前に
想像していたであろう。
そしてこれだけ熱狂的な小倉北体育館を
見たのは、たぶんセカプロの旗揚げ以来では
ないだろうか?

 試合前に菊タローがマイクで「ここは
選手間でも沸かない会場って有名なんですよ」
とこぼしていたが、ここが小倉北ということ
自体も忘れていた。とにかくタイトルマッチに
ふさわしい試合だった。

 これが出来るんだから、全国どこへ出しても
恥ずかしくないレベルだと思う。
プロレス一本で食べているであろう選手たちに
危機感を持たせたのだから、それは本物である
何よりの証だろう。だてに10年は活動して
いないのである。それを思い知らされた。
浮き雲のように現れては消える、北九州の
プロレス文化の灯はここが灯し続けていたんだ
なあという気持ちと同時に、
「ああ、この10年間を共に体感したかった」と
言う無念もかみしめねばならなくなってしまった。
とにかくこれは文句なしのベストバウトである。
「いや、一つの興業にベストがふたつは
おかしいやろ!」そこのあなた!
この試合を見てから言ってほしいですね。
名もなき戦士たちの、プロレスLOVEがここまで
詰まった試合に誰が甲乙つけられましょうか?

 試合はどっちが勝っても納得のいく攻防の末、
スミスが勝利してヘビー級タイトルは移動。
ここでROCが出てきて、自分たちのヒーローに
祝福するものの、スミスがマイクをとって
語りはじめた。曰く「自分は6年前がむプロに
入ってきて、いきなり靱帯断裂、ヘルニアにも
なり、ヒールにもなった。でもベルトをとり
ました!ジョーカー、あんた強かったよ」と、
前王者をたたえ、そして「いままでどうも
お世話になりました」とこれまたまさかの
ベビー転向を宣言!仲間を呼び寄せると用意
していたおそろいのはっぴを着て
「がむスターズ」(当然元ネタはドリフ)の
結成を発表。これに激怒したROC総帥の
ドン.タッカーが「次回、4月25日の大会で
おまえをたたきのめしてやる」と鬼も笑わない
くらい気の早ーーーーーーーーーーーい抹殺宣言
をして、退散。

「これからは明るくて楽しいプロレスを
していきたいと思います」とスミスのマイクで
ハッピーエンド。興業は締めくくられたのであった。

 試合終了後、撤収はヒール.ベビー共に
ノーサイドで手伝っていた。終了時間はなんと
21時半過ぎ。驚くべき事に5時間強の
超大興業であった。会場賃貸料やゲストへの
ギャラも考えたら、チケットが前売り
(しかも有名プレイガイドには一切置いていない)
だけというのは無謀にもほどがある。
しかし口コミと、手売りだけでリピーターを
徐々に増やしてここまで大きくしてきたという
事実に対しては素直に賞賛したい。
試合終了後にはスミスとめんたいキッドから
サインをもらった。めんたいキッドは一人で
九州プロレスのブースにいて、グッズを
売っていたのだが、何も買わない私のような
ファンにも快くサインしてくれ、自ら両手で
握手までしてくれた。本当にいい人である。

 そしてスミスにサインを求めると、
周りの関係者たちから「おおーっ」と
どよめきが。はっぴを着たままの新王者は、
ものすごい好青年で照れながらサインして
くれ「明日からまたサラリーマンに戻ります。
一生懸命練習しますのでまた見に来て
ください」と握手までしてくれた。
こちらもいい人だった。

 全体的に言えることは、素人が陥りがちな、
いい格好をリングで見せたいだけの
プロレスをしたいのではなくて、基本的な
練習からリングを組んだり撤収したり、
そう言ったことまで含めてのすべてに対しての
プロレスLOVEにあふれていた興業だったと思う。
たぶん興業も好きなんだろうけど、
普段の練習の方も大好きな練習の虫ばかり
なんじゃないかと思う。そして基本的に
みんなまじめ。

 後、お子さんに対しての配慮も、
プロレス教室だけでなくて、会場隅に
色とりどりの風船を置いたりと、気配りも
半端無かった。子供が飽きずに声援を送って
いたというのは、何も関係者や知人や身内
だからというわけではないと思う。

 今のプロレスが忘れ去ってしまっている
大切なものを、がむプロはかたくなに
守り続けて来たんだと思う。それが積もり
積もっての10周年。これはとてつもなく
重く、尊いものであるといっていい。

 だが、最後に一言だけ。やはりプレイガイド
販売や当日券販売はしましょうよ。
よくいえば手作り感いっぱいのアットホームな、
暖かいお客さんばかりが集められるけど、
悪く言えば一見さんの目には触れることなく、
厳しい視線なしで若手が温室育ちになって
しまう可能性は十分にある。
あえていってしまえば学芸会の発表会を
金取ってやっているといわれても仕方ない
ところもある(それにしてはサービスし過ぎ
だけど^^)。

 いや、なんでここまでいうかというと、
興業=発表会にしては、プロの団体としては
ダメだと思うのだ。金の取れる練習を積み重ねて
きたのであれば、それに対する対価は要求して
当然だし、それがプロフェッショナルだと思う。
社会人の片手間というにはあまりに熱心
すぎるし、全国レベルの実力も各選手が
持っているのだから、もっといい意味で
欲を出して、どんどん自己アピールをして
いってほしい。身の丈経営というにはあまり
にも無茶しすぎな興業だったけど、各団体の
代表どころを快くゲスト参加させてくれるほど
信頼関係もあるのだから、北九州をしょって
全国に羽ばたくくらいのつもりで興業数も
増やしてほしい。選手の派遣も増やすべきだ。

 試合だけでは食っていけないというのは、
昨今どの団体も同じような事情を抱えている
のだから、条件は同じである。
仕事とのかねあいは大変だと思うけど、
大きな期待を寄せても大丈夫だと言うことが
わかったので、安心しておすすめも出来る。
これは文句なしにがむプロ、恐るべし!と
いっておこう。いつかは居酒屋がむしゃらにも
訪れてみたいものである。
アルコールは抜きでね^^

 たっぷりプロレスについて語り合いたい
ものである。リングには上がれないけど、
そっちなら堂々と闘えるので^^
いつか挑戦させてくださいね!

よろしくっ! (完)