「父さんの研究室から持ってきたコレ、持っていると・・探せって、頭のなかで声がする・・でも、何を?」
「思いつくのは、連れ去られたあの娘だけど・・」
石の中一際大きな光が現れる・・
「?、何だこれ?」
半透明の石の向こうに光でもあるのかと思い、顔をずらしその向こうを見るが何もない・・
身体ごと向きを変えると、それに連れて光の位置も変わっていく・・
「・・これ、あの娘の居る方向?」
少年はしばし石を見た後それを鞄に入れる。
失うものの無い少年にとって、立ち止まったままのこの場所から、
いつかは、抜け出さなければいけない・と、思っていた・
でも、どこへ?僕にはもう何も無いのに・・そう、思っていたのに・・
・・まだ、あきらめちゃいけないんだ!・・
そして、、歩き始める・
光が指し表す方向へ・・