5月のカレンダー

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

各月の日記

ユーザーRSS

Powered by

2010年
02月28日
19:52
-プロローグ-
まずはじめに私を襲ったのは衝撃だった。
ついさっきまで私と会話を交わしていた"それ"は、どう見ても事切れていた。
感傷に浸る暇も、泣き叫ぶ暇もない。
瞬時に目を瞬かせ、そして踵を返して逃げる。
金切り声を上げ、泣き叫ぶ沙耶香の手を引いて入り組んだ裏路地を駆けた。
背後の少年は、私に笑いかける。
そして、問いかける。
「それで、君はどうするんだい?奴は待ってはくれないよ?」
私は、選択する。
生きる。
ただ、それだけを。


雪待佐奈。
それが、私の名前。
神奈川の私立高校に通う、ごく普通の女子高生。それが、私"だった"
その日、私がいつものように下校していると、見知らぬ少年が近寄ってきた。
彼はまるで、友人と気軽に話をするくらいの気安さで、私に話しかけてきた。
私は無視した。
少年に構うほどお人良しでもないし、ましてやこの後には予備校が控えている。
無視して歩き去る私を、しかし彼は、追ってきた。
「…ねぇ、聞いてるんでしょ?いつまで無視するつもり?」
彼はしつこく話しかけてきた。
大通りの信号待ちの時、ついに私は彼に向き直り、説教してやろうと思った。
「あのね、僕?お姉ちゃんは忙しいの。誰かに構ってほしいなら、ほかの人を探したらどうかな?」
私は努めて冷静に、笑顔で少年を諭そうとした。
彼は困った顔をして、そしてあきらめてどこかの路地裏へと消えていった―と思った。
信号が変わり、歩き始めようとした私の手を、誰かが強引に引っ張った。
「え!?」
後ろ向きに手を引かれ続け、路地裏へと連れ込まれる。
手は少年には似つかわしくないくらい力強く、そして強引だった。
私が路地裏に倒れこむように膝を突くと、二つの視線が上方から私を射抜いた。
「…だ、誰!?」
「君と同じ宿命の者達。お仲間、さ。」
後ろから少年が笑顔で話しながら歩いてくる。
「どういうことなのよっ!?私をどうするつもり!?誘拐!?殺すの!?」
涙交じりの私の叫びが、喉を焼いた。
「…信じられないかもしんねえけど、な。」
一人が暗がりから一歩、踏み出してくる。
年齢は十七、八の少年。
「俺達は、選ばれし者、らしいぜ?」
半分おどけた様子で、しかしその目は鋭いまま、少年は背後の少年を見る。
「そう。君達は選ばれし者達なんだ。そして、世界を救う。どうだい?ワクワクするだろう?」
柔和な笑顔のまま、少年は続ける。
「君達は、"彼ら"と戦わなくてはならない。それが、君達の使命なんだ。いいかい?彼らと戦うには…」
「彼らとか、戦うとか、ほっとにわからない!!ねぇ、こんなやつほっといて、さっさとどっか行こうよ!!ねぇ!!」
少年の言葉を切り、少女がややヒステリックな声で叫ぶ。
「紹介しよう。彼女は沙耶香。そして左が雄図。こちら、佐奈さんだよ。」
少年を無視して、沙耶香は雄図の腕を掴んで揺さぶる。
雄図は少し困った顔をしながら、しかし少年を見据える。
「…まぁ面白そうだし、だまされてみるって手もある。」
雄図は指を鳴らし、そして少年を睨む。
「もしつまんねぇ事だったりしたら、承知しねぇぞ?わかってんのか?」
少年は相変わらずニコニコと笑ったまま、
「せいぜい無駄死にしないようにね。」
とだけ短く言った。


深夜の歓楽街の賑わい遠く―オフィス街の一角。
迷彩服を着込み、自動小銃を片手に雄図は腰の拳銃をチェックする。
「…本気、なんだよね?」
沙耶香は自分の手の中で、黒く鈍く光る拳銃を弄びながら聞く。
「後にはひけねぇだろ?なにより」
雄図の視線の先には、やはり笑顔を浮かべたままの少年。
「ここでやめたって言っても、格好がつかないしな。やるだけだ。」
自動小銃の安全装置をはずし、雄図は大通りをのぞき見る。
「…何かの冗談。何かの冗談だと思ってたのに…」
佐奈の肩に当たる鞘が、カタカタと鳴った。
制服姿のまま肩から紐を通し、小振りの日本刀を背負う。
「…ったく、せめてイングラムくらいもってくればよかったんだよ。」
通りから視線をはずさずに、雄図がつぶやく。
「いんぐ…何?何の話?」
沙耶香の問いにイライラしつつ雄図が返す。
「イ、ン、グ、ラ、ム。自動機関銃だよ自動機関銃。たしか。」
「そんなこといわれてもわからないって!!」
雄図は沙耶香を無視して後方の暗がりをチラリと見る。
「いいか、お前ら。手持ちの武器が切れたらあそこから補充するんだ。」
雄図が視線で示した先に、歪に膨らんだ通学用バックがあった。
脇のポケットからは、金色に輝く弾丸の詰まったマガジンが覗く。
少年の後をついていった先の廃ビルに、武器は、あった。
「さすがに丸腰で遣り合えとは言わないさ。ま、とりあえず好きなだけどうぞ。」
雄図は数度少年を見てから―沙耶香は何度も少年と武器の山を見比べながら。
それこそ映画の中のような話だ。
暗く、湿った廃ビルの地下室には、所狭しと様々な銃器、刀剣、短剣。その他諸々の武器が揃っていた。
「もうこれはいらないかもな。」
そう言って、雄図は鞄の中からすべての物を床にぶちまけると、手当たり次第に近場の銃器、弾丸を黙々と詰めていった。
静かに息をつき、そしてゆっくりと目を開ける。手の中には、刀の重みだけがあった。
「…来たよ。」
無表情で少年が呟いた。

通りの向こうで、数度光が瞬いた。
やや遅れて火薬の臭い。
「っち、くそ!!」
悪態をつきつつ雄図は手当たり次第に撃ちまくる。
「死ねよ!!この!!くそがっ!!!」
絶え間ない、激しい銃撃音が夜のオフィス街に響き渡る。
しばらく続いた銃声も、次第に間が空くようになる。
断続的に聞こえてくる銃声を聞きながら、佐奈は目をつぶり、刀を握り締めた。
「…無計画だね、彼。あれじゃぁすぐに尽きちゃうのに。」
少年は抑揚なく呟く。
「死ね!死ね!!死ね!!死ね!!!」
連続した発砲音の後、短く小規模な爆発。
「っ雄図、やりすぎなんじゃないの?」
沙耶香は困った顔をしながら、通りの向こうを除き見る。
爆発の衝撃波が、夜のオフィス街のガラスを揺さぶる。
「死ね、死ねよこの…くそ!!」
数度トリガーを引いて初めて、雄図は弾切れに気づく。
「っち。残りマガジンが2、か。走るか。」
後ろ手で拳銃を撃ちながら、通りを挟んだ向こう―沙耶香達の居る裏通りへと駆ける。
『実際の戦争だと、アニメやマンガみたいに弾より速く走るなんて、無理なんだぜ。あれは所詮マンガやアニメの中だけの話で…』
不意に脳裏に、先週雄図が学友に自慢げに話した内容が蘇る。
「…馬鹿な。考えすぎた。」
雄図は煙で霞んだ背後を確認しながら、通りを横切ろうと走る。
動きは―ない。
「やったか?それとも…!?」
通りの中央分離帯を飛び越え、裏通りでこちらを伺っている沙耶香の顔が見えた。
「今度は数発分の爆弾を―」
雄図が再び体をひねり、背後を確認しようとした刹那―。
雄図の視界は、あらぬ方向へと向かった。
一瞬バランスを崩し、ビル街の合間の暗い夜空が見えた。
やけに遠くに、沙耶香の悲鳴。
「なにを」
雄図の意識は、そこで途切れた。

沙耶香が、半ば発狂した様子で叫び続けていた。
少年が舌打ちを漏らす。
「っち。馬鹿…こっちの居場所がバレバレになっちゃったじゃないか。」
佐奈の視線の先。
ゆっくりと。
まるでスローモーション映像のように、雄図だった者が、破裂した。
それは雄図の左から現れ、そして走る雄図の足を腿から吹き飛ばし、そして次の一撃で顎から上をも吹き飛ばした。
それはまさに、影。
人の影に、赤く光る眼を付けたような異様な姿態をしていた。
それは静かに雄図だったモノを見下ろし、未だ叫び続けている沙耶香へと視線を向けた。
「逃げるよ!!」
佐奈は沙耶香の頬を叩くと、素早く手を引いて裏道へと駆けた。
「あーあ。馬鹿だなぁ。叫ぶから。」
少年はまったく緊張感のない声で呟く。
沙耶香は涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら泣き続けている。
「雄図が…雄図が…!!!!!!」
刀を握る佐奈の手が震えた。
―死。
実際に、さっきの光景に出会うまで、佐奈もある程度冗談だと思っていた。
単なる特撮か何かの仕掛けだろう、と。
数度細い路地を曲がり、沙耶香が叫びださないように口にハンカチを押し込み、黙らせる。
「うん、いい判断だね。」
少年は息切れひとつせずに佐奈を観察している。
「…奴は、殺せるの?弱点は?特性は?」
早口で少年に聞く。
「弱点…うーんせいぜい夜とか影のあるところでしか動けない、って程度かなぁ。あ、昼間でも影があれば」
「いい。わかった。」
佐奈は日本刀の紐を解き、左腰だめに抜き放った。
暗い路地裏で、佐奈の日本刀の刀身だけが白い光を放っていた。
「ひゅー。剣道とか、やってるの?」
少年に構わずに路地を確認する。
「奴は、殺せるんでしょうね?」
静かに少年に聞く。
「うん。基本君達とおんなじ。頭を落とすか胸を貫くか。再生するとかそんなオカルトなことはないから安心して。」
「…この事態が既にオカルトよ。」
佐奈は太腿にベルトを締め、小型の拳銃を忍ばせた。
「ちゃんと装填したの?確認した?」
佐奈はゆっくりとマガジンを確認し、そしてスライドさせ、安全装置をかけてからベルトに挟みこむ。
「はは。それじゃ、がんばって。」
「言われなくても!!」
視線を感じ、すぐさま路地から飛び出し、角を反対に折れる。
背後に気配。
少年?
見通しのよい通りまで出て、直角に折れ曲がると、路地裏から黒い人影が追ってくるのが見えた。
その眼は、紅い。
―瞬間、全身を震えが走った。
(こっちに、来た!!)
すぐさま反対側の路地へと入り、二つほど角を曲がってから刀を構えた。
静かに―だが確実に、気配は佐奈を追ってきた。
(今―!!)
佐奈が刀で素早く突きを見舞うと、それの肩を掠めた。
「っく!!」
素早く上方から袈裟斬りに斬り下ろす。が、浅い。
「っくそ!!」
数度振り回した後、刀は路地裏の雨どいに食い込んだ。
「―しまっ」
それが、鋭い鉤爪で佐奈の顔を薙いだ。
首を捻ってそれをかわし、素早く太腿の拳銃を抜きざまに撃つ。
カチリ。
「っ!?え!?う!?あ、あああああああ!?」
数度トリガーを引くが、弾は出ない。
「ああああああああああっ!!!!?!!?!?!?!」
狂ったようにトリガーを何度も引きながら、佐奈は路地裏へと走った。
それは静かに、追ってくる。
(やばい!!やばい!!!やばい!!!!!!!!)
うめき声を漏らしながら佐奈は細い路地裏を駆ける。
背後へ向けて、やはり何度もトリガーを引くが、弾は出ない。
むなしく金属音が響くばかり。
涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃになる頃、佐奈は膝をついて崩れ落ちた。
細い路地の先には、暗く湿った壁が待っていた。
「なんで…なんでよぉぉおお…いやぁ…やぁあああああああぁあ…」
佐奈は狂ったように壁に爪を立てながら引っ掻く。
やがて爪が割れ、壁に血の跡が残り始める。
「あぁああああぁあぁ…ぁぁあぁ…」
壁に頭を打ちつけながら、佐奈は喘ぐ。
(死ぬ…死ぬ!?死んじゃうっ!?嫌嫌嫌…死にたくない…死にたくないよぉ…いやぁ…)
やがて半ば放心状態になった佐奈の元へ、足音はゆっくり近付いてきた。


沙耶香は、しばらくして立ち上がった。
口の中から、ハンカチを取り出す。それは少し、湿っていた。
「…殺す。殺してやる。」
沙耶香は何かに取り憑かれたように立ち上がった。
「あれ?ついにやる気になった?」
少年の声がまったく耳に入らない様子で、沙耶香は拳銃のセーフティーを解除。
両手でそれを構えたまま、路地裏へと消えていった。
「あらら…大丈夫かね、あれは。」
少年は腕を頭の後ろで交差させながら、沙耶香が見えなくなるまで見送った。
殺した。
雄図を殺した。
殺す。
殺してやる。
私が殺してやる。
沙耶香はゆっくりと路地裏を歩いていく。
「どこ…どこに居るの…」
引きつった笑みを口元に浮かべ、しかしその眼は笑っていない。
「殺してやるわ。出てきなさい…殺す。殺す。殺す。」
ぶつぶつと呟きながら、沙耶香は路地裏の角を数度曲がる。
目指す先に、それは居た。
「この―雄図っ!!仇!!死ね!!!死ねぇっ!!死ねぇええええええっっ!!」
路地裏に、銃声と沙耶香の金切り声が響く。
それはしかし、逃げたのか。
沙耶香が、最早弾の出ない拳銃のトリガーを引き続けて数秒後。
そこには暗い路地裏があるだけだった。
「…いない。いない。いない!!!殺す。殺してやる。殺してやるわ!!」
まるで幽鬼のように、沙耶香は鞄のある路地へと歩いていき、そして無造作に突っ込まれたままの機関銃を取り出して、狂ったような笑みを浮かべた。

「はい、ゲームオーバー!!!なんてね。」
それは路地裏の壁を背にして放心している佐奈の耳元で囁いた。
瞬間、佐奈が驚いて数度瞬きをする。
「はいはい佐奈さん、まだ終わっていませんよ?」
少年は、悪戯っぽい笑みを浮かべながら佐奈を見下ろしていた。
「…あ?」
それでも立ち上がらない佐奈に苛立ちつつ、少年は傍らの拳銃を投げつけた。
「安全装置、かかったままじゃん。それじゃ、弾がでるわけがない。良く生きていたもんだ。ま、運も実力のうちって、言うしね。」
少年は伸びをすると、欠伸をひとつ漏らした。
佐奈に冷静さが戻る。
「…生きてる。」
少年は面白くなさそうに呟く。
「そう。生きてる。そして、まだゲームは終わっちゃいない。」
佐奈はボンヤリと少年を見上げ、そして我に返ったかのように急に拳銃を持って立ち上がった。
「お、復活した。」
少年を無視して、佐奈は路地裏へと駆けた。
走りながら、安全装置を解除。
「―そう。まだ、終わっていない。」
そう呟きながら、佐奈は細い路地裏を駆けた。

数度角を曲がった頃、雨どいに食い込んだままの刀を見つけた。
力を込めて、引き抜く。
反動でビルの壁に背中を打ちつけ、数秒間悶えた。
日本刀を鞘に戻し、沙耶香の元へと駆けた。
―が。
「いない…!?」
沙耶香の姿はしかし、そこにはなかった。
「どこへ…」
刹那。
大通りのほうから突如として激しい銃声が響いた。
「沙耶香!?」
佐奈は大通りに向かって駆ける。
「まさか…あいつ沙耶香を…!?」
数度角を曲がると、見覚えのある風景が飛び込んできた。
雄図と沙耶香と、私。
三人で隠れていたあの場所、だ。
駆けつけた佐奈を、沙耶香が迎えた。
その手には、自動小銃。
銃口からは、未だ紫煙が立ち昇っていた。
沙耶香の腕が、路地裏へと落ちた。
沙耶香は三つに分かれ、そして血の海の中で両足を躍らせていた。
左腕は肩付近で千切れ、右腕は銃を握ったまま千切れていた。
頭から胸にかけての部分は、ない。
胸の直ぐ下側から、影が生えていた。影はぴちゃぴちゃと音を立てながら沙耶香を"食べて"いる。
「げ…う…」
その場で吐きながら、佐奈はトリガーを引き続けた。
腕を伝って衝撃が伝わる。
何度も後ろに転びそうになるのを踏ん張り、耐える。
吐くものが無くなっても、佐奈は吐き続けた。胃の痙攣が治まらなかった。
佐奈の拳銃の銃口が紫煙をゆっくりと吐き出す頃、それは頭に十数もの風穴を開け、そして音を立てて血の海の中へと倒れた。
広場に面した路地裏には、バラバラになった沙耶香と、謎の"敵"だけが取り残された。


太陽が昇り、暗いビル街をオレンジ色に染めていく。
ゆっくりと上る太陽に眼を細めながら、佐奈は路面に仰向けになっていた。
白と青のみだった制服の色は最早、どす黒い血の色へと染まりきっていた。
「はい、しゅーりょー。お疲れ様でした。よかったねー。勝って。」
少年が、まるでゲームをクリアした時のような明るい笑みを浮かべながらで歩いてくる。
即座に佐奈は起き上がり、少年を刀の鞘で殴りつける。
少年は素早くそれをかわすと、佐奈を押さえつけた。
「ぐっ…なんで!!なんでよ!?」
大粒の涙を流す佐奈を無表情で見据え、少年は一言呟くように言った。
「宿命、だからさ。こうなることはね。」
朝の冷たい風が、濡れたアスファルトの上を吹きぬけた。


「これは、ゲームなんだ。とは言っても、君らの為のゲームじゃない。神様達の為の、ゲームなんだ。」
少年は薄笑いを浮かべながら言った。
「理不尽?そんなこと、知らないね。君らがどうなろうと僕の関知することではないし、君達のイメージするゲームで言えばそうだな…僕は単なるNPCみたいなものだし、ガイドみたいなものだしね。後はせいぜい、当事者同士で好きにやってくれ。」
少年が歩き去ろうとするのを止めて、佐奈は聞いた。
「こんな事…ゲームですって?狂ってる。おかしいわよ、絶対。止めてよ。もう、こんな思いは…」
佐奈の手を乱暴に振り解き、少年は言う。
「だから、知ったこっちゃないっての。神様方がまたやろうとする際にはまた数名の男女が選ばれるし、それは変えようもない。いわば、宿命なのさ。まぁ運が悪かったとして諦めて殺されるか、もしくは打ち勝つか。」
二人の死は、通り魔による連続バラバラ殺人事件として報道され、世間を震え上がらせた。
「ま、次があるかはわからないけど、せいぜい今生きていることを噛み締めながら生きるんだね。いつ、どんな事で死が訪れるともわからないし。」
少年の背に向け、叫ぶように言う。
「あなたは何?誰なの?」
少年は困った顔をしながら、こう呟いた。
「僕はあくまで傍観者、さ。ほかの何者でもない。」
それだけ言うと、少年は街の雑踏の中へと消えていった。
結局、事件は犯人逮捕を受け沈静化。
TVのワイドショーで取り上げられることも少なくなり、そしてやがて、風化していった。
校舎裏の桜の木を見上げる。
雄図、沙耶香。
あの出来事は果たして真実か。
今となっては自分の頭の中での妄想にも思えてくる。
あの後、疲れて気を失った佐奈が眼を覚ましたのは、自室のベットの上だった。
制服は、何事もなかったかのように白と青だけで飾られていた。
戦いの舞台となったオフィス街にも行ってみたが、人々が忙しなく行き交い、幹線道路には絶え間なく車両が往来していた。
「何も、ない。」
佐奈はそれだけ呟くと、人々が行き交う雑踏の中へと消えていった。
やがて夕日が沈む頃、街は活気に沸いた。


―エピローグ―
「以上が今回の報告です。」
軍服姿の少年が書類を読み上げると、椅子にもたれるように座っていた将校がうむ、と唸った。
「女子高生も、いざとなれば戦えるものなのだな。」
将校は机の引き出しから葉巻を一本取り出すと、先端をカットしてから火をつけた。
「虎の子の第一号を失ったことは大きいが、今回のデータで相当のレベルアップが見込めそうだ。よくやった。」
将校は机の上の書類を指で軽く叩きながら、目を細めた。
「光栄であります。」
少年が敬礼する。
「うむ。引き続き第二号―対人兵器生物甲二種の戦闘データ収集を、貴官へ命ずる。」
「陸軍第二小隊および、適宜民間人の協力者の選別は、貴官の判断に任せる。」
少年は軽く笑い、そして部屋を後にする。
「この世に神なんて、居るわけがない。ましてや、殺し合いなんて、人間のみの領域だ。」
誰も居ない廊下で、少年が呟いた。
少年が書類をめくると、そこには数ヵ月後の年月日が記されていた。
「さて…次は誰が選ばれるのかな?」
少年は書類を抱え、廊下の奥へと歩いていく。
やがて、その足音も聞こえなくなる。

―完―

***********************************************
あとがき@2/22
本作は、作者が多忙すぎてイライラしていてついカッとなってかかれたものです。
ストーリーとか設定が意味不明なのは仕様です。用法容量を正しく守ってお読みください。
さて。
とりあえず最後まで読んだけど意味不明すぐる…うん。ダロウネ(ォィ
とりあえず書いた本人も何がしたかったのかわかってないから(ぉぃ
単純に絶望と戦闘描写が書きたかっただけ。そんだけ。
…対人兵器生物とか意味不明。先生、生物兵器って言葉あるけど、あれって…ググレカス
>生物兵器とは、病原微生物による病原性を利用してヒト・動物・植物に害を与える兵器です。利用される病原微生物あるいはその毒素を生物剤といいます。
なるほど。そういうことかー(わかったのか?
つーかほぼ一日で書いた。
ノリ的には元となる構想があったんでそっから来たかな?構想は果てしなくryなので本気でだめだと思う(ぇ
人間滅茶苦茶なめにあうと、ホント自暴自棄にもなりますよね。
つっか、自分なら間違いなく「欝だ死のう」とか言いそう(言わないけど
最後でアボーンですが、今作は天使とか神とかそういうの関係ないっす。
殺し合いなんてするのは、人間くらい。ってな感じで。
あーもうちょっと銃器の描写とか説明とか挟めば良かったかな…(遠い目
とりあえず今日からまた会社なのでうん…これくらいにしておきますわ。
あとがきは文字数オーバーしなければ本編とセットでageてもいいかもね。
オーバーしたら米部分にでもageます。
稚拙な文章でしたが読んでいただければ幸い。
それじゃ、今回はこれで。
(・ω・)ノシ
2010/2/22 なかのひと