「本日は記念すべき二号店のこけら落としじゃ」
なんやかんやであっという間に爺ちゃんの竹細工店、「なよ竹」は二号店を建ててしまった。
「流石は100万両の微笑みぢゃのぅ
巷ではかぐやの美人画が大流行!
ほれ、この通り」
「そんな大流行のかぐやにあやかって、
開店記念の目玉賞品はかぐやの口紅の跡が付いた、
手ぬぐい入り竹の洗濯籠で行くぞぃー!」
「おお!爺さんや、そりゃ最高金額を更新しそうじゃのぅ~!では早速、支度するか…塗り塗り」
ぶっちゅー…
婆ちゃんのかよーーーーーーーー!!!
「そんな事するから最近変な追っかけが
出て来るんだよー!
…もうやだ、うえーん!(涙)」
「籠哉!?
…そうか…もう止めよう。
籠哉の事を考えておらなんだ…。」
…!…じい…ちゃん…!!
「老い先短い爺のわがままに付き合わせて…悪かっ…」
ごほごほぐへがはげほ!!!ごほごほぐへがはげほ!…カハッ!ビチャッ!
「あぁ!爺さんや!!しっかり!!!」
「爺ちゃーん!!!」
「だ、大丈夫じゃ…
ただ、儂は都に五階建ての店を構えるのが最後の願いじゃった…
それも、もうこの体では…(チラッ)」
「そんな!爺ちゃんしっかりしてくれよ!俺、もう少しだけ頑張るから…!」
「いやしかし!!!
籠哉には換えられん…うぅ…!(チラッチラッ)」
「爺ちゃん、籠哉じゃないよ…
アタシ、かぐやだよ……!」
爺と婆『ブワッッッ!!!』
「今日は内裏の方が噂の姫を
…おまえを見にいらっしゃる」
「実は男と言うのは、
墓まで持って逝くんじゃぞ?
ばれたら確実に……」
『死罪じゃ』
前言撤回して良いですか?
無理。
爺ちゃんたちは後何年かで墓近いけど、俺はあと何十年も先だぞ、ゴルァ★
「ッアー!籠哉がいきなり乱心?!どこへ行くんじゃあっ?!」