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新田真子さんの公開日記

2011年
03月31日
22:47
怪獣特撮とアニメ(TVでのアニメについてもここではなるべく触れないようにしているのだが実はこれまた片っ端から観ていたのだった)に支配されていた子供時代。TVでも怪獣映画みたさにそれらしきものをやるととりあえず観る、というか、映画を観るという行為にストレスを感じないタイプだったわけだから、TVでも映画を観るのは自然なことだったんだろうな。劇場では字幕だがTVではみんな日本語でしゃべってくれるのだ。すばらしい。当時は日本で番組を作るのが間に合わないせいか海外ドラマや海外アニメも盛んに放送されていて、洋画に慣れるのに苦労はいらないのだった。それに「サンダーバード」のおかげで、外国にもかっこいい特撮番組があるじゃん、と劇場にも「サンダーバード6号」を観にいったわけだし。

特撮怪獣映画好きが他の映画を観るとなると、当然のようにまず特撮があるかないかが判断基準になる。なるの。だからSF・戦争映画を観るようになるのは自然なことといわなければいけない。大体東宝特撮映画のタイトルは平気で「なんとか大戦争」とかいってるわけだし。どんぱちが好きとなると西部劇を見るようになるのもこれまた自然なことであるのはいうまでもない。どんぱちがいいわけなんだからアクション映画も当然観る。こうしてどんどん深みにはまっていくわけなのだった。あれま、どうしましょ。

子供のころに観た怪獣映画も劇場用アニメも数が少ないからリストアップも出来たけど、TVで観た映画となるとそう簡単にはいかない。だいいちタイトルがわからない映画があるのだからしょうがない。それに見た時期や順番もあやふやになってしまっているし。それでもこの時期に観た映画は、私にとってまちがいなく決定的な役目を果たしているはずなので思い出せる限り思い出してみようっと。もちろん後に再び観た映画もいっぱいあります。最初は分けようと思ったけどめんどくさいので同時期に劇場で観た映画(まだ子供だったのでそんなに多くないから)も一緒にしました。ここではおおむね70年代までを念頭においています。80年代に入ると、好き勝手に映画館に通ったり、レンタルビデオが始まってしまうのでもうどれを何時何で見たかはわからなくなってしまうのだった。

では、まず戦争映画から。
この時代の戦争映画でも明らかにTV、ビデオ、LDなどで後に初めて観たと記憶している映画(「硫黄島の砂」「ダンケルク」「鬼戦車T-34」など)や、これ以降製作された戦争映画(「Uボート」「メンフィス・ベル」「プラトーン」など」)、および戦争を描いていても18世紀以前の戦争映画(「ワーテルロー」だとか、っていかんいかんワーテルローはすでに19世紀だったんだった。日露戦争より前、ってことにしといてくださいな)は歴史ものだと思っているので別にしました。例によって各作品ごとのコメントは個人的感想。

少々記憶違いあったって気にしない。行くぜ。
「史上最大の作戦」いわずとしれた、第二次世界大戦の趨勢を決めた連合軍のヨーロッパ侵攻作戦であるノルマンディー上陸作戦を描いたオールスターキャストの一大巨編。後に「プライベート・ライアン」でも描かれる壮絶なオマハ海岸のシーンをはじめ、名シーンにはことかかない戦争超大作。最初はすべての台詞が吹き替えだったのに、後にドイツ側が字幕になり、最近はキャストを入れ替えたバージョンになってしまっている。なので、全編字幕版をあわせてTVでだけで、いままで最低6回以上は観ている。最初のバージョンがまた観たい。それは大塚周夫が海岸防衛のドイツ軍仕官役を演じているからだ。ノルマンディーに押し寄せる連合軍を目の当たりにし、艦砲射撃をうけてトーチカ内で砂埃をかぶりながら「ぬお~」と叫ぶ名演技。大塚周夫はほんといいなあ。大好きだよ、いやまじで。あとでまたでてくるからね。ついでにジョン・ウェインは小林昭二の方ね。
「大脱走」オールスター戦争巨編で「史上最大の作戦」とならぶ傑作。実話を元にドイツ軍捕虜収容所で日々を過ごす連合軍捕虜たちの企てる前代未聞の大量脱走計画を丹念に追ったストーリーはその計画立案、準備の過程、脱走実行、それぞれの逃避行と見所満載。また参加キャラクターもそれぞれの人間性、得技など、抜群にいい。単に戦争映画というのにとどまらない多くのエッセンスを含んでいる。スティーブ・マックイーンのかっこよさはもう最高ですよ。ジェームズ・ガーナーとドナルド・プレザンスの友情もいい。マックイーンが独房に入ると一人で壁キャッチボールをするくだりはその後多く作品でリスペクト使用されてます。大塚周夫はチャールズ・ブロンソンね。多くの映画でスティーブ・マックイーンは内海賢次と宮部昭夫が吹き替えを当てているけれどわたしはこの映画の印象が強いので宮部昭夫が好き。「荒野の七人」も宮部昭夫じゃなかったけ。「パピヨン」と「ブリット」はどっちか忘れた。テーマ曲「大脱走のマーチ」も誰でもおそらく1度は聞いたことがあるだろうというくらい有名。
「遠すぎた橋」ノルマンディー上陸成功で調子に乗った連合軍がわりかしやっつけで計画したらあっさりドイツ軍に逆襲されてしまった空挺・地上共同のマーケット・ガーデン作戦の失敗を描く。二番煎じはだめだったという例。スケールがでかい割りに大して面白くないという中途半端な映画だった。映画もマーケット・ガーデン作戦同様だったのかもしれない。観たのはもう少し後の時期だった可能性もあるけれど、まあいいや。
「荒鷲の要塞」ドイツ軍基地にとらわれた重要機密を持った捕虜救出のため、断崖の古城に乗り込む特殊部隊の活躍を描く戦争アクションの名作。ロープウェーのシーンは手に汗握らざるをえない。イギリス特殊部隊に一人加わるアメリカ兵役のクリント・イーストウッドがかっこいいのだ。作戦は上手くいくのか、裏切り者は誰だというサスペンスもいい。
「ナバロンの要塞」こちらは地中海の堅固なトーチカに守られたドイツ軍の巨砲を破壊するため敵の只中に乗り込む特殊部隊の活躍を描く名作。これも後に色々な映画やドラマにリスペクト使用(あるいはただのぱくり)されている。
「戦艦シュペー号の最期」大西洋で通商破壊作戦を展開するドイツ海軍のポケット戦艦グラーフ・シュペー号とそれを追う3隻のイギリス海軍巡洋艦隊との死闘を描いた海洋戦争映画の名作。多勢に無勢のシュペー号についつい肩入れしてしまうのだった。
「ビスマルク号を撃沈せよ」ドイツ最大の戦艦ビスマルクの大西洋進出を食い止めこれを撃滅するべくイギリス海軍が総力をあげて追う、これも海洋戦争映画の名作。でもやっぱりビスマルクに肩入れしてしまうのだった。
「眼下の敵」大西洋を舞台にアメリカ軍護衛駆逐艦とドイツ軍Uボートの一対一のそれぞれの艦長の知略を尽くした戦いを描く傑作。その後多くの対決ものの手本になった。戦争で敵味方になったとはいえ同じ海の男同志というラストシーンが最高だった。
「ペチコート作戦」こちらはコメディ。女は乗せない潜水艦。でも救助したのは5人の看護婦だった、というおはなし。タイトルがなぜペチコート作戦なのかというとそれは観ればわかるのだった。
「633爆撃隊」ドイツ軍のロケット燃料工場を破壊するために危険な爆撃任務におもむくイギリス空軍爆撃機モスキート部隊の戦いを描く作品。モスキート実機が登場する。後の「スターウォーズ」のデススター排気口攻撃シーンはこの映画がお手本。
「モスキート爆撃隊」同じくモスキートが主役の映画だけれど、長いこと「633」とごっちゃになっていた。だから残念ながらこちらのおはなしはよく憶えていない。
「頭上の敵機」第二次世界大戦、ヨーロッパ戦線で、イギリスからドイツが支配する大陸への爆撃にむかうアメリカ空軍爆撃隊の戦いを描く作品。実機のB17や実際の戦争映像が出てくるのでリアリティは抜群。後の「スターウォーズ」のミレニアム・ファルコン号対TIEファイター空中戦はこの映画がお手本。
「暁の出撃」こちらはギリス空軍の重爆撃機アブロ・ランカスターが主役。実話をもとに、ドイツ軍工場の電源となる水力発電所のあるダムを破壊するため開発された跳躍爆弾(水面に石を投げるとはねるのと同じ理屈で超低空でダム湖に投下してはねた爆弾をダムに当てようというアイディア。高空投下の爆弾はこの当時まず目標にあたらないし、魚雷はドイツ軍もちゃんとダム湖に対魚雷網を張っているのだった)を持って危険な爆撃任務に赴く爆撃隊の活躍を描く作品。こちらもアブロ・ランカスター実機が登場。
「レッド・バロン」第1次世界大戦のドイツ空軍エースパイロット、「赤い男爵」と呼ばれたマンフレート・フォン・リヒトホーフェンが主人公。最期まで騎士道を貫こうとした空の戦士の生き様を描く。乱れ飛ぶ複葉機の空中戦がかっこいい。当然実機、とはいえ復元機もあったはず。
「空軍大戦略」バトル・オブ・ブリテン(原題もこれ)と呼ばれる、ドイツ空軍のイギリス空襲作戦に対し、航空戦力で圧倒的に劣りながらそれを迎えうつイギリス空軍の死闘を描いた作品。映画にはそれほど強い印象は残ってないのだが戦力不足を補うため不眠不休で空中戦に挑むパイロットはかっこよかった。このへんの描写ものちにリスペクト使用されていると思う。ただ、わたしはスピットファイアよりメッサーシュミットの方が好きなので悪役なのが悩ましいところ。後の「スターウォーズ」のデススター攻防空中戦はこの映画がお手本。
「パットン大戦車軍団」タイトルは派手だけど、第二次世界大戦のアメリカ軍の将軍、愛国心に溢れわりと感情的ではっきり物をいうが時に無謀で敵も作る人間パットンを描いた作品。なので戦車はおまけだったから、最初に見たときはいまいちガッカリだったのを憶えている。だから2度目のほうが面白かった。
「バルジ大作戦」第二次世界大戦ヨーロッパ戦線でのドイツ軍最期の反撃を描いた一大巨編。とにかく戦車がいっぱい出てきてばかすか撃ちまくるという夢のような映画。戦車はみんな代役(実車だが撮影当時の戦車の色を塗り替え国籍マークを張った程度の状態で第二次世界大戦の戦車役で登場する)だけどそんなことは気にしない。狂気の軍人ヘスラー大佐はのちに亜流をいくらでも生み出した。でも最期はちょっとね。ドイツ軍戦車部隊の歌がかっこいいんだ。
「戦略大作戦」第二次世界大戦ヨーロッパ戦線で、膠着した前線の向こうの田舎町にあるドイツ軍の大量の金塊をかっぱらうためにケリー軍曹以下一癖も二癖もあるろくでなしどもが、部隊長の目を盗んで敵中突破、ドイツ軍との戦いを勝手にくりひろげる戦争映画の名作。吹き替え字幕あわせてこれも最低6回ぐらいは観てる大好きな映画。なかでもクライマックスのティーガー戦車は代役戦車ばかりだった当時としては出色の出来。ケリー役の山田康雄クリント・イーストウッドもいいが、戦車兵オッドボールの宍戸錠ドナルド・サザーランドがでたらめでかっこいいのだ。「今はもうない」の名台詞は忘れられない。大平透テリー・サバラスの柄の悪さもいいぞ。この三人でのラスト近くの西部劇パロディは洒落ている。ちょっとだけ出てくるドイツ軍戦車兵もこれまたいいんだ。
「戦闘機対戦車 砂漠の対決」第二次世界大戦アフリカ戦線、負け戦で少々頭のネジがおかしくなった司令官の将軍を偶然ヒッチハイクさせてしまった撤退中のドイツ軍戦車部隊の生き残り戦車と、勝ち戦でのんきに構えて打ち落とされたがプロペラとエンジンだけはなんとか動く連合軍戦闘機の砂漠での追いかけっこを描く異色作。こう書くとコメディっぽいが意外とまじめで面白いのだった。劇場用ではなくTV映画だとは後で知った。なるほど安上がりな映画だったと納得。
「重戦車総攻撃」ヨーロッパ戦線に配属された新兵の若者が幾多の戦いや戦友の死を乗り越えて、やがてベテランの兵士へと成長してゆく物語。後のSF映画「スターシップトルーパー」は原作小説そっちのけで実はこの映画をそっくりそのまま再現しているのだが、その意味はまったく逆という戦争映画を皮肉ったものになっている。でもこちらは普通に楽しめる娯楽戦争映画で、ある状況にほうりこまれた若者の成長物語としてよく出来ている。この映画のプロットは刑事物、スポーツ物などにも応用されている名パターン。
「特攻大作戦」細かいところは憶えてないが、それぞれの特技をもつはみ出し者が集められた部隊が周到な計画と訓練の後、ドイツ軍秘密基地破壊作戦のため決死の敵地潜入に挑むって内容だったはず。隊長のリー・マービンがかっこいいのだ。
「大反撃」ヨーロッパの古城を舞台にしたちょっと毛色のかわった映画だと記憶している。たしかバート・ランカスターがアイ・パッチをつけた士官役で城に住む貴族の令嬢といい仲になり、ピーター・フォークが元コックかなんかで料理をつくるシーンを覚えている。つーか小池朝雄のはずのピーター・フォーク(当時TVでは、刑事コロンボを放映していたのだった)が穂積孝信だったのであれ?と思ったのだった(たしかそうだった)。ラストのドイツ軍との戦いが破滅的でなんだかホラーファンタジー映画でも観ているような不思議な映画だった。今見返すともしかしたらぜんぜん違う印象かもしれないが。
「レマゲン鉄橋」一回見たはずなんだけど、内容はいまいち憶えていない。冒頭の川沿いの道を戦車が走るシーンは覚えてるんだけどな。
「戦場にかける橋」このころ見たはずだけど、もしかしたら後に観たのかもしれない。太平洋戦争東南アジア戦線の日本軍捕虜収容所では、連合軍捕虜たちが泰緬鉄道建設の労働を強いられていた。そこでの日本軍人と捕虜のギリギリの関係を描く人間ドラマ。悲劇的なラストをむかえる戦争はいやだなあ、というお話。この映画のテーマ曲が「クワイ河マーチ(ボギー大佐)」
「ミッドウェー」太平洋戦争で日本海軍が大敗を喫したミッドウェー海戦を描いた戦争スペクタクル、なんだけど、ラスト近くの空母着艦失敗シーンぐらいしか覚えてない。
「全艦発進せよ」太平洋戦争で、アメリカ海軍の上陸用舟艇母艦の乗組員の対立や葛藤を描いた作品。あちこち転戦したのち沖縄戦で特攻機の攻撃を受け身動きできなくなった艦を救うべく「小亀が親亀を救う」という傷つき倒れた艦長の言葉をヒントに上陸用舟艇で曳航して戦場を離脱するシーンをよく憶えている。
「パリは燃えているか」第二次世界大戦でのレジスタンスと連合軍によるパリ解放を描いた作品。観たはずなのにほとんど憶えていない。困った。
「M.A.S.H.」こちらは朝鮮戦争が舞台の、アメリカ軍医療部隊のでたらめな日常を描くブラック・コメディ。だから大人になってから2度目に観たときのほうが断然面白かった。それでも日本で手術することになり、日英の直接翻訳が出来なくてあれこれ他言語を間に挟んで話そうとするシーンは子供にもおもしろかったぞ。このネタはこの映画がオリジナルなんだろうか、どうだろう。
「西部戦線異状なし」第1次世界大戦に参加したドイツ人一兵士の物語。最期がね。悲しいね戦争は。大人になってからまたみてそのときは再び戦場に赴くあたりでまた悲しくなりました。戦争映画の傑作のうちの一本。白黒版とリメイクされたカラー版があるが、ここでは白黒版。
「ジョニーは戦場へ行った」これも第1次世界大戦の一兵士が主人公なのだが、戦争シーンは最初だけ。砲撃を受け両手両脚と顔面を失って、ただ生きているだけになった青年ジョニーのそれでも人間であろうとした物語なのだが、これもラストシーンがね、悲しいですね。
「追撃機」実はこの映画なのかどうかははっきりおぼえていないので多分、ということなんですが、朝鮮戦争でのミグ対セイバーの空中戦を描いているというのでたぶんこれ。一度しかみていなのだけれど、超低空で丘を縫うようにして繰り広げられるミグ対セイバーの空中戦シーンがめちゃめちゃかっこよかったのだ。うーんこれなのかなあ。
「1941」あの、スティーブン・スピルバーグのコメディ戦争映画。太平洋戦争開戦直後、日本軍の侵攻に怯える西海岸ロサンゼルスの人々。一方ドイツから日本へ向かう最中にあろうことかコンパスが故障した日本軍潜水艦が大騒ぎの街の沖合いに現れる。当然街は大パニック海軍陸軍入りみだれ、日本軍のアメリカ攻撃を信じて疑わない頭のおかしい戦闘機パイロットも参戦しますます大混乱に陥っていく。カーチスP-40やM3リー戦車など無駄に本物の兵器が登場(M3はM4の改造だったらしいが)。いやいや、けっこう好きなんですよこの映画。アニメ編で「ダンボ」をこの映画ではじめてみたと書きましたが、冒頭で西海岸防衛に着任したアメリカ軍司令官が映画を観るシーンがあり、それが当時(1941年)公開されたばかりの「ダンボ」。ええ年したおっさんが涙を流しながら「ダンボ」を観ているという名シーンなのだった。
「トラトラトラ」太平洋戦争開戦時、日米両者の側から日本海軍の真珠湾奇襲作戦を描く作品。東宝特撮が冴え渡る機動部隊の描写と実機(日本軍機は代役)をふんだんに使った空襲シーンは迫力満点。後に観た戦争中に撮影されたという国威発揚映画「ハワイ・マレー沖海戦」での真珠湾攻撃シーンもすごかった。真珠湾の俯瞰映像が戦争当時の航空写真とあまりにそっくりでどうかしてる。同テーマで後に見たのは「地上より永遠に(ここよりとわに、と読むのが映画の常識)」と「パールハーバー」だが、後者は派手だけどしょうもない映画だった。
「太平洋奇跡の作戦キスカ」日本軍の太平洋戦線の旗色悪く北太平洋アリューシャン列島に迫るアメリカ軍を前にアッツ島守備隊は玉砕、続くキスカ島守備隊を無事撤退させるために危険な任務に赴く日本海軍水雷戦隊を描く、戦争映画なのにクライマックスで戦闘がないという名作。特撮的には巨大な駆逐艦のミニチュアが濃霧のなかアメリカ軍のスキをついてキスカ島へ侵入するシーンがかっこいいのだ。
「太平洋の翼」太平洋戦争も末期。特攻ではなくあくまで戦闘による制空圏奪回を目標に各戦地からかき集められたパイロットたちが紫電改を駆り最後の戦いを展開する、実在の松山、第343海軍航空隊をモデルに描く作品。紫電改の実物大モデルも登場。でも空戦シーンは例によって東宝特撮。
「連合艦隊指令長官山本五十六」タイトル通り、太平洋戦争時の日本海軍指令長官山本五十六の苦悩とその最期を描く。東宝特撮の空中戦などミニチュアワークが冴える。ミッドウェー敗北後暗転していく日本の運命に、前線の航空基地で(多分ラバウルあたり)一航空兵(黒沢年男だったと思うんだけど)が、(たしか)戦場記者に向かって、無謀な作戦を続ける日本軍に対して「死んでやる、こんな戦争、それで負けるんなら喜んで死んでやる」(たしかこうだった、つまりたとえ日本が負けるのだとしてもそれで戦友たちが無駄死にしていくこの愚かな戦争が終わるなら、自分ひとりの命くらいくれてやるという意味の台詞、決してただ負ければいいというやつあたりの場面ではありません)という台詞をいまでも覚えているのだがこの映画だったかどうかはちょっとあやしい。
「日本海大海戦」日露戦争たけなわのころ、戦局の打開を果たすべく日本を目指してやって来るロシアのバルチック艦隊を迎えうつ日本海軍連合艦隊の苦闘と勝利の物語。黄海海戦、旅順攻略戦、旅順港閉塞作戦など、日露戦争を通じての日本海軍が描かれる。最初に見たときは三船敏郎の東郷平八郎より笠智衆の乃木稀輔のほうが印象深かった。テーマ曲がかっこいいんだ。「呆れ三太」「国のオヤジまあすわっていっぱいやろうや」。うむ、観てないものにはわかるまいわかるまい(笠智衆調で)。
「八甲田山」これは戦争映画かどうか微妙だけど軍隊を描いているので戦争映画でいいでしょう。日露戦争前夜、日本陸軍は大陸での寒冷地戦闘をみこしての冬季訓練のため、雪深い八甲田山の雪中行軍を強行、そのために部隊が大量遭難するという事態になった実話をもとにした小説の映画化。当時「天はわれを見放した」という北大路欣也の台詞は「この子達はわたしの命だ」(聖職の碑)という鶴田浩二のそれと人気を二分した、かもしれない名台詞。観終わった後には軍歌「雪の進軍」が歌えるようになっているというおまけつき。
「日本の一番長い日」昭和20年8月14日から15日にかけて、太平洋戦争終結にむけての日本の無条件降伏を国民に知らせる天皇陛下の玉音放送録音盤を巡る波乱の一日を描く大作。東宝男優陣の鬼気迫る演技には脱帽。あ、またやってる(8月15日あたり)、ちょっとだけみるかな(2時間半くらいあるから)、ってまた全部観ちゃったよ、というくらいの名作。

だいたいこんなものかな。まだいくつか忘れてるのはまちがいないけれど、思い出したらその時また。
しかし記憶をたよりに調べてみて改めてタイトルがわかった映画などがあるのでやってよかった。次はSF映画の予定。「スターウォーズ以前」にチャレンジしてみたいと思います。どのくらい思い出せるかな~。