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十円さんの公開日記

2011年
04月01日
12:12
1982年に発表されたマンガ。
うー・・・ん、30年も前だっけか。
読み直してみたら、なんかえらいリアルな感じでした。
TMIの3年後発表なこの話が2011年現在、内容的に合致する部分が多いってところに
「原発の抱える諸問題って30年経っても変化なし」な感想持っちゃいます。

物語の舞台はTMI3年後のアメリカ。原発に、作業員ではなく経営陣側として勤める青年が主人公。低濃縮ウランの盗難、爆破予告の顛末を、原発側、反対派側、中立、いろんな立場の人間を絡めて描いた、うー・・・ん、サスペンス・・・? む?どんなジャンルなんだ? サスペンスでいいのかな? ・・・まぁ、そんな話です。

原発を我が子のように可愛がり、精魂こめて作業にあたる技師や、息子が病に冒された形で生まれ、激しく原発を憎む作業員。環境保護団体に入った隣人。疲弊しきった首脳陣。そんな中で主人公は入社当初の夢が捨てきれない。その夢というのが「5.2☆11.8」

1970年代に言われたエネルギー効率の数字だそうです。消費エネルギー5.2に対し、ロス・エネルギーが11.8。つまり無駄が多いわけですね。主人公はこの無駄を減らす、という計画に惹かれて入社したという経緯がある。

この話が面白いのは、主人公が葛藤するのは「自分が加害者である」という意識や、周囲からの非難、批判にさらされることに対してではなく、エネルギー効率を上げることへの人々の情熱の喪失からくる虚無感にあること。ストーリー後半、彼はついに友人にこう言い切ります。
「俺は悪役でいい」

これが描かれた30年前と、今回の福島と、事故の際巻き起こる問題はほぼ大差ない。そんじゃあ2040年になってもやっぱり同じことが問題になる?
ユダヤの人々が言うように、安全ってのは本来金と労力がかかるものなのかもですね。どうやらおいらはもう少し勉強する必要がありそうです。