いつ死んでも良かった私は、ソレから泣く事も笑う事もしなくなった・・無味乾燥な日々
女王を襲名しても同じ・・
ある日城下で女の子を拾う・・
普通なら絶対にしない行動・でも、そうさせたのは不自然な出現
彼女は、人混みの中突然あらわれた、けれど誰一人その不自然な出来事に気付いてない!しかも、本人に聞いてもソレを認識して無い・・
城の妖術士に『浸透』で見立てさせても、分かるのは『不死の呪い』・『再生と治癒』・『呪いの術具』くらい・・
ただ、彼女が不死だろう・ってのは、私にとって少しだけ良かった事・私の『毒』が、どこまで効かないか分からないけど、少なくとも彼女だけは、私の『毒』で、死ににくい。
私の『毒』で・もう誰も死んで欲しくない!・彼女はソレに少しだけ近づいてくれる。
乳母の最後の一つの願いは『私が幸せ』になる事だった・・
少しの事で(涙や汗・私から出る全ての体液が揮発性の致死毒になる)皆が死ぬのに、幸せ?・・もしかしたらソレこそが彼女の最大の恨みだったのかもしれない・・
私の身体の『毒』の為に汗をかく事はおろか、最愛の人の『死』にすら涙する事の出来ない私・・感情を殺す以外に方法はなかった・・