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新田真子さんの公開日記

2012年
11月10日
02:48
ある私鉄の駅から同じ鉄道の別の駅までその私鉄会社が運営する路線バスが出ている。
ある駅が始発で別の駅が終着。
よくあることですが、
その2つの駅が歩いて15分くらいの隣同士となるとそうそうありはすまい。
同駅からは遠く離れた場所へ向かう路線もあるのだが、そんな普通の路線に乗ってもしょうがない。

てなわけで、先日前々から興味があったその路線バスにのってこちらの駅から隣の駅まで(もう一度書きますが、電車なら一駅。歩いても10分)小旅行であります。私鉄沿線をはなれてぐるりと30分、いや25分くらいかな。

駅から歩くにはやや遠い離れた場所に団地があって、そこと駅をつないでいるバス路線なのだった。また同じ駅に戻ってきてもよさそうなのにわざわざ隣の駅まで行くのだ。で、折り返しに帰ってくるというわけ。
団地も特別巨大な団地というわけでもない集合住宅の集合地だが、個人住宅やアパート・マンションなどの多いその付近では同じつくりの高層アパートが複数棟そろっている団地(2~3階建てくらいのものはいくつかある)は意外と珍しいものなのだった。でも団地から自転車で駅まで行ってる人もいるみたいだよ。だからこれは、お年寄り専用バスみたいなものなのだな。田舎と同じだ。交通弱者のためにこうして路線を維持するというのはある意味社会貢献といっていい。ちょっと見直したよ。だからひとつの駅だけでなく2つの駅を行き来するというのもいいことだ。団地中心に考えれば行く場所の選択肢をふやすことになりますからね。

とはいえ、いざ乗ってみるまではそういうことに考えが至らず、こちらの駅は急行も止まる駅なので、なるほどとうなずけるのだが、隣の駅は各駅停車しか止まらないので、どうなのかなあなどと思っていたのだった。
そして明らかになったのは、その隣の駅は路線の関係上、意外とバスが集まる場所だったのだ。ターミナルなのはわたしの乗った路線くらいで、あとは途中停留所なのだが、ここから別のバスに乗り換えてさらにバス旅行を続けることが可能になっている。なるほどなるほど。それで団地まで行って帰るだけでなく、あっちの駅とこっちの駅をつなぎましょうということになったんだな。

バスは団地を過ぎると主要環状線に出る。と、反対車線の先に見えたのは巨大なフィットネスクラブ(ちょっと言い方が古いな。いまは別のなんかいい名前があったように思うのだけれど)といわゆるスーパー銭湯らしき温泉の建物が。こんなところにもスーパーな温泉銭湯があったのか。使いづれーったらありゃしねー。まああれだね。自動車で来る人むけということなんだね。きっとこれから先もあそこには行かないだろうなあと思うのであった。

環状線から離れたかと思うまもなく終着の停車場に着くのであった。
そこから線路に沿って1分くらい歩くとあっちの駅。せっかくきたのだからと駅前をぶらぶらするのだが、いまいち商店街におもしろそうな店がない。にぎやかで人出もおおいからさびれた駅というわけでは全然ない、東京23区内にそういうさびれた駅があったらそのほうがすごいんだけどね。いや、探せばあるかな。とにかくネットやTVで評判そうなお店はあるのだが、面白そうなお店がなかったのだ。
もっともわたしのいうおもしろそうな店とは40パーセントが本屋。40パーセントが古本屋で、残りの20パーセントがだらだらすごすための珈琲店か、変なものを売っていそうな得体の知れない店のことなのだ。
いまやいわゆる「町の本屋」は日本全国で壊滅しかかっているので、これは仕方のないことかもしれない。多分15年以上前になるだろうか、この駅周辺を歩いたときあった変な古本屋はやっぱりつぶれていた。残念だ。駅前には必ずありそうな珈琲チェーン店もない。マクドはあったけどね。マクドはいまいち落ち着けないからなあ。1970年代のTVドラマあたりに出てきそうな微妙に朽ちかけた感じの喫茶店もあったけど、入らなかった。他に客がいそうになく、これはこれで落ち着けないかもしれないからね。

小一時間、ふらふらしたものの、どうしようか、電車で隣の駅に戻ろうかと、改札をくぐると(ICプリペイドカードは便利だね。昔は目的の駅まで切符を買わなければならなかったが、いまでは自由に途中下車できるし、乗り越しも自由だ。バスにも乗れるし、ふらふら出かけるのが好きな人間にはマジ超便利っすよ~)、そこに駅中喫茶が。ドトール。けっこう見ますね駅中ドトール。こんなところにも。電車に乗るとほんの3分かそこらでもとの駅。ありがたいのかどうなのかよくわからないね。こちらの駅にはやや中くらいの三省堂書店があって、だらだらできる珈琲チェーン店もあるので、やれやれと本を見てから一休み。たのしいバス旅行のつもりがいつもの生活と同じになってしまった。